自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第76回
料理評論家、フードジャーナリストの習性・実態その6
本当に公言している回数をちゃんと食べているの?

料理評論家、フードジャーナリストは当たり前ですが、外食好き。
食べることが大好きなはずです。
私も勿論食べること、外食することが大好きで、
夜の食事が決まっている場合は朝からいつもウキウキしています。

でも、限られた回数なのが残念です。
ほとんど自腹で食べていますから、
経済的に制限がでるのは仕方がありません。
接待される立場の場合は、こちらから希望を言えません。
大抵、食事内容に重点を置いたものではなく、
その後の店を視野に入れた食事となってしまうのが不満です。
たとえ、毎日取材対象の店で食べ続けても、一日昼夜で2回。
一年毎日これを繰り返しても730店しか取材できません。

フードジャーナリストの犬養裕美子氏は、
12000店の取材を公言しています。
この取材数は驚異的でして、毎日食べまくって
なんと16年強の長い年月が必要となるものです。
現在のお年を存じ上げないですが、
まともに食べながらの取材ではないことは
子供に目にも明らかなことです。
確かにしっかり1食ずつ食べた店の回数も含まれているでしょう。
でもその中の多くは、一日に何件も掛け持ちして、
店で料理人の話を聞いただけ、写真をカメラマンととっただけ、
というのも含まれているはずです。
一口食べただけというのもあるかもしれません。

実際知り合いの料理人から聞いた話ですが、
事前アポをとって取材に来たジャーナリストは、
写真を撮った後そのまま帰ってしまうか、
照明を当てて時間の経った料理をおいしそうに食べて帰るか、の
どちらかだとのことです。
どちらにしてもたいしたことはないようですね。

つまり、自分自身でしっかり食べて評価をしている人は、
物理的に多くの店を取り上げることが出来ないはずなのです。


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