自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第85回
初訪問、日本料理 小山

<事前情報>
1.出店ラッシュの「青柳」チェーンの中で、旗艦店の位置づけ。
2.価格設定は高い。お任せコースのみで、最低3万円。
3.予約が簡単に入る。

<感想・その他>
立地条件
六本木ヒルズのけやき坂通りの2階。
道に面してはなく、「ルショコラ ドゥ アッシュ」の脇を入る。
ちょっとわかりにくい場所で、ヒルズの中では人の流れは悪い。
飛び込みの期待は出来ません。

外観、内装
入り口に男性が二人ほど客待ちしています。なんとも異様な感じ。
ホールはシックな造りです。満席で30名くらいのキャパの他、
個室が2部屋あるようです。
客の入りは相当悪いようです。
この日もホールには数組しか入っていません。
こんなんで高い地代を払ってやっていけるのでしょうか。
このホールからの借景も寂しいもの。
ほとんど灯りのついていない森ビルのマンションが
目の前にそびえ立ちます。
ゴーストタウン化しているのでしょうか。

料理
3万円、3万5千円、4万円の他、予算に合わせて
いくらでも対応するというスタンスのようです。
5万も6万もかける客が存在するのでしょうか。
そんな高額に値する和の食材も存在するとは思えません。
デザート3皿をいれて、料理は全部で13〜14皿。
非常に多皿です。当然、何を食べたか覚えきれないのですが、
帰り際にはリストを渡してくれました。

やはりここのウリは、瀬戸内の「鳴門鯛」でしょう。
骨に瘤みたいなのが本当にあるのか見ていませんが、
結構厚めに包丁を入れていまして、
噛み応えというか食感は悪くありません。
造りに関しては、「青柳」よりだいぶ食材はいいようです。
値段も違いますが。
他に有名な「ぼうぜ」(エボダイ)を締めた握りは
凡庸に感じましたが、丸ごと食べられる鮎はなかなか。
揚げているかのような焼き方に特徴がありますが、
なかなかのもの。
お椀、焚き合せなど出汁系は、
「青柳」同様凄みを感じないもので、
締めの玉子丼は、スッポンが入っているというわりに
甘すぎで、イマイチ。
スッポンの味を感じず、3万円での玉子丼には疑問を感じました。

ワイン
ワインは高いの一言。
ノンヴィンテージのシャンパーニュで1万円ですから
仕入れの3倍以上はしているでしょう。
高いワインでも小売の倍以上で頼みにくく、
さりとて日本酒も最低で1合1千円。
菊姫など1合3千円近辺の値付けにはただただ唖然です。

3万円のコースで、一番安い日本酒を飲んで一人4万円。
高い徳島料理でした。

<結論>
最低で一人4万円です。
虎ノ門店より良い食材で、
創意工夫した料理になっているようですが、
いかんせん自腹ではもう行けない店。
接待されて、価格を知らずに食べるのなら
そこそこおいしく感じると思います。
CPを云々いうレベルを超越した店です。
客が少ないのは仕方ないでしょう。
今でこの客の入りですから、
同じ価格体系でいつまで頑張れるか、見ものです。


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