自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第106回
初訪問、タテル ヨシノ

<事前情報>
1.小田原→パリへ移転した「ステラ マリス」のシェフが、
  再び日本へ出店
2.芝パークホテル内のメインダイニングの位置づけ。
  よってランチどころか朝食もやっている
3.パリではゴー ミヨーで点数を取ったが、
  ミシュランでは「ヒラマツ」に先を越された
4.数年前のパリ店へ訪問した際は、あまりの日本人の多さと
  何の変哲もない料理に驚いた。
  星を狙わず、金儲けに走ったかと思った。

<感想、その他>
立地
ホテルの別館の1階です。芝公園から歩いて5分。
都営三田線だけで、ちょっと不便かもしれません。

外観、内装
朝食も造るからでしょうか、
外にはテラス席もあり、夕食もとれるようです。
テラスだけで20席はあったでしょう。
店内も照明が明るく、カジュアルな造りです。
ホテルのメインダイニングというと、
「ラ ベルエポック」のような
アール ヌーボー調を想像してしまいますが、まったく違います。
店内のテーブル席は30席くらい。他に個室があるようです。
結構な大箱はホテルのレストランですから仕方ないでしょう。
小田原時代の常連が来ているのでしょうか、
結構盛況で、8割がた埋まっています。
政治家風の親子連れ、建築家風のカップルなど
客層はバラエティー。
ドレスコードはジャケット着用とのことでしたが、
ノージャケットの人も食べていました。
コードの運用は柔軟なようです。

サービス
スタッフは黒服、白服とも多い。数え切れません。
ソムリエも何人かいるのでしょうか、
そしてあの「タイユバン ロブション」の
シェフソムリエだった人がマネージャーをやっておりました。
ソムリエ職ではなかったので、安心しました。
サービスは悪くはありません。ストレスも感じませんでした。

料理
コースが9000円。
シェフお任せという最近流行のネーミングのコースが
1万5000円とかなり高い設定です。
だいたい私が疑問に思うのが、この「シェフお任せ」。
9000円のコースは「シェフお任せ」ではないのでしょうか。
客が料理を指定するわけではなく、
店にお任せするコースなのです。
まさか、2番手、3番手に任せる料理ではないと思いますが。
アラカルトは、前菜が4〜5000円、
魚・肉は5〜6千円とかなり強気の設定です。
単品で頼んでもコースと変わらない価格設定なので、
迷わずアラカルトを選択しました。
驚いたのはアミューズ。
小皿一口料理が、4皿標準で付いているようです。
ちょっと得した気分にさせて、
シャンパーニュや白ワインを頼ませる高等戦術のようです。
前菜も5種くらい、
肉もこの時期、牛、豚、仔兎、鴨など揃っていて選択肢は多い。
前菜は価格が安い野菜のエチュベが良いでしょう。
量もあり、食材原価も低いでしょうが、CPは悪くない。
メインは豚のゼラチン系の煮込みがなかなか味わいもあり、
鮑や仔兎のパイ包みより魅力的です。
あの最悪だった「パリ店」の料理とはかなり違います。
シェフが改心して、気合を入れなおしたのでしょうか。

ワインにはびっくり。
数は少ないですが、ブルゴーニュ、ボルドーともに
古酒もリストアップされています。
70年代はおろか、40年代のものまでありました。
パリの本店では、90年代の若い、
普通のワインしかなかった記憶がありますから、
この手のワインはどこから持ってきたのでしょうか。不思議です。
本店より金払いの良い客層をターゲットにしているようですね。
値付けは、ノンヴィンのシャンパーニュで8500円。
ちょっと高いが、ホテルだから許せる範囲でしょう。
古酒は絶対金額が高いだけに、小売価格との乖離はあまりなく、
掛け率は低いようです。

ワインを一人当たり1本近く飲んでしまいましたが、
適度なワインでお代は一人当たり3万円。
さすが、芝パークといえども、高かったです。

<結論>
1.たまたま吉野シェフが来日していたからか、
  料理はうまい範疇。
2.しかし、値段はグランメゾン級です。
  吉野氏が不在の場合、料理がどうなるか、疑問が残ります。
3.カフェレストランの雰囲気なので、料理は良いが、
  トータルで考えるとこの客単価ではCPは良くはない。
4.ワインは適正な範囲の値付けでしょう。種類もまずまず。
5.秋に汐留パークホテルにもう一軒出すそうです。
  信じられない短期間での多店舗展開。いやな予感がします。
  できれば、汐留がオープンする前に訪問すべきでしょう。


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