自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第124回
料理評論家、フードジャーナリストの習性・実態 その13
ジャーナリストからの新しい提案

驚いたのですが、
私が問題提起しているフードジャーナリストの一人、
(本人はフードサービスアナリストと名乗っている)の
横川潤氏が、あっさり料理人に対する持ちあげを
認める発言をされていました。
「確かに日本のレストラン紹介は、
むやみに店やシェフを持ち上げすぎと思う。
雑誌や新聞がジャーナリストを丸抱えして取材費を与え、
中立な立場で自由に評論させている
ニューヨークのスタイルの如く、
日本でもマスコミが
プロの料理評論家を育てていく必要があるかもしれない」
というようなことを述べられています。

今のところ彼一人ですが、私の問題提起の一つ、
「料理人を持ち上げすぎ」を認める発言です。
この問題から逃げずにコメントされるのは、
なかなか立場上難しかったかもしれませんが、
すこしはこの業界もそういう流れになってきたのかと、
驚いた次第です。

しかし彼の提案である、ジャーナリストの丸抱え。
果たして公平な評論が出来るでしょうか。
私は、一般客側に立って評論するのは
難しいのではないかと思います。
取材費を与えられることによって中立ということは、
今まではお金を払わずお店の料理を食べていて評論していたのか、
と突っ込むことはしないにしても、
自腹を切る痛みを伴わない取材は、
接待族と同じようにCPに対する判断力がぼけると考えます。

その意味では、客側にも店側にもつかない、
本当の中立というものが出来るのかもしれませんが、
それでは誰のために評論するのかわかりません。
本来、代金を払って購入する読者=一般客のために
書くべきだった料理店評価本が、
店、料理人のために書かれていたのを私は問題にしてきました。
店や料理人のための本ならば、
彼らから出版費用を徴収し、読者へは無料で配布するべきです。

横川氏の提案が尻つぼみにならず、
更なる他のフードジャーナリスト、料理評論家によって
大いに議論してもらいたいと考えます。

でも、まだ、
「特別料理」を「特別待遇」で食べて評論することが
読者には無意味だ、というもう一つの問題提起に関しては、
なにも回答はありません。


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