自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第194回
ミシェル ブラス トーヤ ジャポン その2

夜の料理は
ブラス氏の「グランド クラシック」と銘打ったテーマで、
ここ30年ほどの彼の代表的なスペシャリテの特集でした。
メニューにはデセールまで10皿の
料理名と創作時期が明記してあります。

ブラスというと、野菜をよく使った料理を思い浮かべます。
ヘルシーで軽めの料理を想像するのですが、
今回の各料理はどれも珍しく感じるものではありませんでした。
例えば、若野菜のガルグイユー“クラシック”。
蕪やキュウカンバ、カリフラワー、ブロッコリーなどを
別々に下ごしらえ、調理して
最終的に調和させて皿に盛り付けるものですが、
この手法は今ではよく見る料理の一つになっています。
1978年作のようですが、
私はブラスが考案したと初めて知った次第です。

その他も、黒オリーヴでコンフィしたようなアンコウや、
真空調理した鴨のフォアグラ、
白ジャガイモスープ 黒トリュフ入りなど、
今では定番料理とも思われる物が目立ちましたが、
確かに本家はおいしい。
期待通りに重くない、お腹に優しいものでした。
鳩のローストなど普段は得意でない食材も食が進み、
ライヨール当地の名物「アリゴ」は、
ジャガイモとトムというチーズとニンニクを混ぜ合わせた
モチモチ感のあるマッシュのようなもので、
絶品でおかわりした次第です。

満足する料理が多いこのコースが2万8千円。
一月前のタイユバン・ロブションのガラディナー
(ワインを入れて8万円)とは満足度はかなり違いましたね。
ワインは今回のコースに合わせた
デギュスタシオン(プラス9千円)もありましたが、
敢えてワインリストからの選択としました。
当然ノンヴィンのシャンパーニュは1万円、
グラスシャンパーニュが1800円と高めの設定。
リストはアルバムのように厚く、
フランスは各地方のワインが網羅されて
小売の倍くらいの値付けで、
このバブルのホテルにしては意外に安い。
昨年のオープン前に主に集めたと思われるワインは
‘95〜2000年に集中していて古いものはほとんどありません。

私がリストにあまり魅力を感じない理由は
若いワインだけだからではありません。
ヴィンテージや畑名は違っていても、
特定の造り手を集中的にリストアップしているのです。
購入時、本数や種類、
値段交渉などを考慮した結果と推測しますが、
客側としては一番大事な生産者の選択肢が狭まり、
選ぶ楽しみがありません。
あまり出ない食後酒なども高めの設定でしたが、
イヴェント物としてはワインを入れて5万円前後。

<結論>
交通費と宿泊費だけで5万円以上はかかる。
料理を入れると10万円だ。
料理は良いが、わざわざ出かけていくには犠牲が大きすぎます。


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