自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第220回
あの店は今・・・ その4
トゥール ダルジャン

今回の再訪はシェフ交代によりものです。
日本では「ロオジエ」に次いで
二人目のM.O.F.を受賞したシェフの登用。
評価本やネットでの評判もかなり良くなって来ています。
果たして何百年も前からある
伝統の「鴨料理」を
メインにしなければならないという制約の中で、
M.O.Fシェフはいかにその腕を奮うことができるのか、
大変楽しみでありました。

料理の変化を簡単に言ってしまえば、
「鴨料理」は「ONE OF THEM」の
位置づけになっておりました。
以前は前菜や他の魚、肉料理の種類が
あまりに少なすぎると指摘しましたが、
新シェフが打ち出した作戦は、「トゥール ダルジャン」の
普通のフレンチ化のようです。

前菜は、ウリのフォアグラ三皇帝の他、
6千円から9千円の範囲で9種が用意されています。
魚料理は6種、肉料理は4種、
それにこの時期のジビエ料理が9種、
肝心の鴨は幼鴨で5種と
メニュリスト一面に料理名が書きまくられています。
選択肢が多いというレベルではなく、
あり過ぎで迷ってオーダーできません。
肉や鴨料理も8千円〜1万円の範囲と東京屈指の高価格ですから、
わざわざこの店で、野兎や鹿、牛を食べるといった冒険はせず、
懐に余裕のある少数層の客以外はかくして、
鴨料理を選ぶことになるわけです。
この価格設定ではそうおいそれとリピートできません。
幼鴨は当然ジビエではなく繁殖ものなのでしょう。
昔のレシピの「トゥール ダルジャン風」や
「マルコポーロ」の他に、マンダリンオレンジを乗せたものや、
ボルドーワインソースのものが新種で加わっておりました。
食べやすい普通のフレンチになっており驚きました。

誰でもかなり満足する料理を提供するようになりましたが、
結果は「ただのバカ高いフレンチ」
といった位置づけだけになりそうです。
ワインを赤白2本と前菜をフルとハーフで2皿、
それに幼鴨にフロマージュなどを頼んで
一人5万円を軽く超えてしまったのには驚きました。
内装が豪華すぎる、鴨も扱うちょっとおいしい、
凄く高い普通のフレンチとなっておりました。


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