自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第275回
イタリアのトラットリアで感じたこと

数ヶ月前、イタリアはミラノ、ローマへ家族旅行し、
現地料理を食べてきました。
現地料理の詳細な知識や分析は
同じく邱永漢さんのコラムを担当されている
井川直子さんに譲るとして、私友里が感じたことがありました。

以前にも書きましたが、
ピッツェリアは夜遅くしかやっていないので、
気軽な店と言えば「トラットリア」になるでしょうか。
観光スポットのど真ん中にある店、
つまりドォーモやスペイン階段の近くの店は、
観光客相手の営業のようで、
味も含めてCPを良く感じた事はありませんでした。
東京の六本木ヒルズの店で食べているようなものでしょうか。
イタリアでもこの手の定説は生きているようです。

反面、市内の住宅地の近辺にあるトラットリアは、
たとえ元旦でも地元の人で、活気が溢れておりました。
とにかくテーブル配置は余裕がみられない詰め込みで、
しかも客がひしめき合っています。
お任せで頼んだ前菜は、どれもボリュームたっぷりで味は強い。
パスタも肉料理にも言えることですが、
東京の数あるイタリアンの主要スタイルとは
異なった方向性であると感じた次第です。

東京のイタリアンは高額店も廉価な店も
どちらかというと盛り付け、色合いなども重視した
中性的なイメージ。
しかし、現地のトラットリアは、男性的な力強さを感じました。
同時期に訪問した、星付きレストランなど
リストランテとはまったく違った、独自性を持っていました。
日本も、高い店、安い店が
同じようなイメージの料理を目指すのではなく、
このように、特徴を変えたほうが
より客層が広がるのではないかと考えた次第です。


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