自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第374回
洋食、フレンチどっちがメイン?レストラン 七條 1

ネットも評価本でも絶賛の嵐。
勿論有名料理評論家も肩入れしております。
フレンチのカテゴリーの中でも
上位に入ると思われる評判の洋食屋は、
なぜかエビフライが特に有名です。
行列が出来るランチ時は客の半分がこれを頼んでいます。
誰が言い出したか「社員食堂」の感がありますが、
日本で一番多くの
冷凍ブラックタイガーを消費している店ではないでしょうか。
確かに大振りな3本の海老は、
カラッとしていておいしいものですが、
それはあくまで洋食屋のエビフライとしてです。
これが高額天麩羅店のサイマキの旨みに勝つとは思えません。
エビフライを食べながら、夜のメニューが書かれている黒板に、
多くのフレンチ食材をみて、
私は夜のディナー訪問を決意しました。
どのくらい本格的なのかと。

夜は行列が出来ていません。
予約が主体らしく、フリの客用の相席テーブル(8席)は
ほとんど空いている状態でした。
シェフの奥さんと見られる女性とおそらくお父さんでしょうか。
30席あまりのホールはこの二人で担当しています。
人気店の割には皆さん腰が低くてなれない人にでも大丈夫。

3品くらいから選べるプリフィクスコースが4千円。
評判の前菜、メインをいくつか網羅していますが、
仔羊や鴨といった食材を食べたければ
単品にしなければなりません。
前菜は1〜2千円。
キャビア入りの岩牡蠣が1ヶ1千円、
ウニコンソメも千円、ポロ葱テリーヌ1400円など
フレンチとしては「ラビラント」並みの低価格。
でも、ここはビストロの雰囲気もまったくない洋食屋です。
一概に安いとは言いきれません。
そしてどうしても洋食屋といった先入観が働いてしまいがちです。
洋食屋がフレンチを出すという意外性、
私は「サプライズ効果」と言っていますが、
どうしても絶対評価が難しくなります。
例えば「こんな立地の悪いところに?」のサプライズ、
多皿でびっくりのサプライズ、主人が怖い、のサプライズなど
過大評価の原因となっているのは私の定説です。
傑出した味でもなければ、不味いものでもない前菜、
といった評価が順当でしょう。

メインは1800円〜3800円。
頬肉煮込みや蝦夷鹿は2千円前後ですが仔羊2400円、鴨3千円、
サーロイン3800円といっぱしの価格をつけているのです。
「ラミティエ」、「サリュー」と比較して
安さ、旨さで上を行っているとは思えません。
それなりの料理なのです。

<明日へつづく>


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2004年7月23日(金)

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