自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第550回
友里が考える「客が納得する店」とは その7
女性客は本当に店を潰すのか

以前紹介した「流行る店」という本は同意するというか、
納得することが多いのですが、この件だけは釈然としないのです。
「誰も書かなかった『非常識』成功術」という章では、
チラシを撒くな、ランチをやめろ、一度造った店はやり直せない、
など参考になると思われるものが多いのですが、
この一項だけはいかがなものか、
そこで本日はこれについて少し考えてみたいと思います。

「女性客をターゲットの中心に据えることは自殺行為」
と断定しています。
理由は、

1、マスコミに左右されやすく、すぐ新しい店に移る
2、まだまだ外食する女性客が少ない
3、接待で使用する頻度がほとんどない
4、男性との食事の際は、店選択は女性でも支払いは男性になる
5、喋りが多く、飲んで食べる量が男性に比べて少ない
6、自腹はランチか特別価格のフェアが多い

一昔前ならばこれは正解だったと思います。
また中高年向けの店には今でも当てはまることだと思います。
高額店、バーなどは特にそうでしょう。
でも、筆者は最近の客単価1万円前後、
多くても2万円以下の和、フレンチ、イタリアンを
再確認しているのでしょうか。
確かに女性は移り気なところがあると言われるかもしれませんが、
一億総グルメ化した現在、
女性だけでなく男性もマスコミに敏感です。
新しいものに飛びつくのに男女の差はありません。
この友里もミーハーなくらいですから。
一途な男性客というのは、
頭が硬直している中高年くらいと考えます。
つまりこの時期、
この中高年向けに絞った店を作るほうが危険ではないか。

また、あの客単価が2万円を優に超える「ナリサワ」でさえ
女性客がほとんど。
男性が支払っていないケースが多いようで、
他の中堅店でも独身の30歳代、
40歳前後の独身女性で溢れかえっております。

接待をメインターゲットにする店は、
一部の形式の店以外絶滅しています。
というか存続は難しいでしょう。
逆に、これから独立しようと考えている料理人の店である
フレンチ、イタリアン、和食などには
中高年の接待族だけを狙っていては成り立たないと考えます。
また、ネットバブル紳士、外資系高額所得の
若い世代同士の接待を狙うならば、
かえってオヤジ化した昔からの店ではなく、
女性客を対象とした店でも大丈夫と考えます。

また、中高年でない若い人は、
男性でも現在はあまり飲むお酒の量が多くないのが特徴です。
酒を多く飲まない客は、最近は女性客だけではないのです。
そして、ランチやフェアに殺到する女性客は一般的な主婦層です。
弁護士、開業医などの自由業や富裕な層の一部のマダムを除いて、
彼女らはディナーへ行く機会がそう多くはないはずです。
当然彼女らをメインターゲットにしてはいけません。
しかしそれ以外の女性層、特に独身層はもっと多いはず。
ですから、女性客というだけの大きなくくりではなく、
最初から外食に余裕のある独身女性客や
富裕主婦層を狙った店造りにすればいいわけです。

エステや美容院はほとんどが女性客ですが
ちゃんと成り立っています。
最初から女性客を対象に店造りをしているからです。
既存の中高年向けの店が、
女性客に媚を売ってしまうとまずいでしょうが、
最初からコンセプトをしっかりし、
酒類が出なくても成り立つようにし、
女性向けで本物志向の店に最初からしておけば
問題はないと考えるのです。
私が唱えているからではありませんが、
今時、ワインを3倍で売ろうとすると逆に売上は減ります。
酒類で大きく儲けようとする発想はバー以外はやめるべきです。
バーは酒類でしか儲けられないから仕方ないですが。

男性はおでん、ラーメン、ガード下の居酒屋といった
逃げ道があります。
男性は中堅になり所得が増えてきたら
諸々の事情で所帯をもつことが多く外食の比率が低くなり、
たとえ行けたとしても客単価のランクを下げた店になるでしょう。
しかし、中堅となって自分の所得が伸びてきた女性は
そう簡単には結婚しません。

ミーハーだけを狙った、奇を衒った内装や料理、
質の悪いモドキ高級食材などでの女性客誘致は
確かによくありません。
一時的にミーハーな女性客は増えるかもしれませんが、
それは邪道です。
あくまで良心的な価格で料理内容は本物志向。
また、本物志向の女性客を増やす、
啓蒙していく風潮を造っていけば、
私は女性を対象としたその市場は膨大だと考えます。


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2005年2月10日(木)

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