自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第558回
友里征耶と客を斬る その14
執着しすぎではないか

自称料理評論家やフード・レストランジャーナリストたちの事に
執着しすぎではないか、と言われる事があります。
自分でも結構頻繁にコラムで取り上げていると自覚しています。
このネタを封印してしまっては、
このコラムの毎日更新が不可能になるくらい
拘っているともいえます。
ここまでするのは大人気ないのではないか、
またそんなに力を入れて糾弾するほど彼らが大物なのか、
といった疑問があるのも事実です。
世間の冷静な方たちは、彼らを最初から相手にしない人種
と考えているかもしれないからです。
彼らを槍玉にあげるという事は、
彼らのレベルの土俵に降りていくことであり、
そこまでする必要があるのか、
世間は友里も同レベルと思ってしまうだろう
といった心配もあります。

2年前、前著を出版する機会に恵まれた時、
2つの特徴を出すことを考えました。
1つは個々の料理店に対して
今までのガイド本や評価本と違った切り口で評しようと考えました。
辛口な本は以前にもありましたので、
ただの辛口にはしたくはなかったのです。
そしてもう一つは、権威の再検証といったら大げさですが、
森ビルとかカリスマ料理人、そして有名な料理評論家や
フード・レストランジャーナリストたちへの問題提起です。
今まで何の疑問も持たずに聞いていた彼らの口上
(実際はたいしたことがないので
聞き流していた人が多いでしょうが)に対して、
細かく考えてみました。

そして、このコラムを担当させていただいてから、
シリーズ化して取り上げるようになったのですが、
読者の方からのお便りで、ほとんどの方が
彼ら料理評論家、フード・レストランジャーナリストたちへ
同じような疑問を持たれ、
胡散臭さを感じていらっしゃることがわかりました。
私の周りのかなり食べなれた方たちの中でも、
今更「犬養さん」や「マスヒロさん」の言うことを
真に受けて信じる方は皆無です。
このコラムの読者の方と同じように、
食べ込んでいらっしゃる、
外食慣れしている、自分の舌や目に自信がある、
といった方は
最初から彼らを相手にしていないことがわかったのですが、
それでも雑誌や週刊誌での
彼らの露出は減るどころか増えているように思われます。

営業丸見えの「ヨイショ記事」や
名伯楽を気取るのか、新店や埋もれている店の売り出しといった
暴挙に歯止めが効かなくなってきています。
「大人の週末」を読んでいると、
マスヒロ氏企画の次郎やラトリエ、みかわ訪問といった企画に
有難がって申し込まれる一般読者の方が
かなりいることもわかります。
見る人がいるからでしょうがTVへの出演機会も多く、
Hanakoも廃刊にならないという事は売れているのでしょう。
つまり、まだまだ食べ慣れた読者、自信のある読者よりも
はるかに多くの一般読者の方々が、
彼らの実態に気がつかず
その発言を信じ込んでしまっているのが現状なのだと思います。

頼まれもしないのに八百長批判を続けていた
「週刊ポスト」ではありませんが、
友里も誰にも頼まれず必要とされていないかもしれないのに、
そしてその訴えが広く世間に広がる事が期待できない中、
ただただ吠えているだけ、
水車に突っ込むドンキホーテのような
ピエロさも感じられるかもしれません。

単なる自己満足と言ってしまえばそれまでですが、
本来コラムというのはそんなもの、
毒にも薬にもならない
独りよがりのようなものも多いと思っております。
これからもどうぞこの頼まれもしない、
お節介料理評論家、フード・レストランジャーナリスト批判に
お付き合いいただきますようお願い申し上げます。


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2005年2月18日(金)

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