自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第789回
ワインは高いが料理はリーズナブル、ラムゼイ 2

自慢のシェフズテーブルはあまりお勧めできません。
オープンキッチンの前に5〜6席のカウンターがありますが、
入り口から奥のホールへの通り道にあり変に浮いてしまいます。
ビルの中腹しか見えませんがホールを希望すべきと考えます。
ワインは途方もなく高いですが、料理は思ったよりかなり安い。
ドレスコードがないようで、
カットソーだけの男性が女性とイチャついているなど
カジュアルにも使えそうです。

コースは1万2千円が子羊、1万7千円が牛と
肉の食材が固定されていて面白みがありませんが、
アラカルトと称するプリフィクス式は、
前菜、メイン、デザート各5種ほどから、3皿選んで9千円、
2皿だと6千円、魚・肉と合わせて4皿でも1万500円と
同じく3つ星出店の「ベージュ トーキョー」の約半額と驚きです。
フレンチに拘らず、
イタリアンなどを取り入れたヨーロピアン料理との説明でしたが、
私にはオーソドックスで地味な料理に感じました。
キャビアたっぷりだという「キャビアソース」ということで
思わず頼んだ鱸のヴァプールは、部位も厚く質はまずまずながら、
ただのブールブランソースにちょっとキャビアをのせたもの。
キャビアをケチったからか、
ソースは甘さが目立ち塩気が足りなかったのが残念。
が、好きな食材の一つである子羊も、
印象に残るものではありませんが、悪くはありませんでした。

しかしオープン直後という配慮をしても
そのオペレーションは感心しません。
テーブルウォッチングがなくワイングラスが空のまま状態が続き、
職掌分担がはっきりしすぎているのか、
女性スタッフに声をかけても
無視して立ち去ってしまうことが何回かありました。
提示価格はすべて税・サービス料込みで簡単明瞭。
つまり、ワインなど酒類を頼まなければ、
この雰囲気で、一応3つ星といわれる料理が1万円前後で楽しめる、
といった評価できる面があるのですが、
だからといってこのままこのプアなサービスで良いとは思えません。

<結論>
イギリスのミシュラン調査員は評価基準が甘いのでしょう。
3つ星に要求される創造性などはまったく感じませんでしたが、
内装と料理の価格は納得です。


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2005年10月19日(水)

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