自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第876回
サロン的な店になるらしい、レトワール

一昨年には早とちりか、
それとも今となっては情報が一年早すぎただけか、
色々とご意見をいただいた「レトワール恵比寿閉店問題」。
今回は間違いないでしょう。
この1月をもって恵比寿の店を閉め、
中目黒近辺へ移転するとの確かな情報を入手しました。
前々から三鴨シェフは、今の立地を気に入っていなかったようです。
でも店前にあったラーメン屋「山頭火」は店代わりしていますし、
恵比寿近辺は今もトレンドであるはず。
店前の雰囲気がイマイチなのは、
弁当屋やコンビニが目立つ「ブルギニオン」も同じでありますが、
こちらは今尚集客には苦労していないようです。
シェフの腕は両人とも上ランクと思いますから、
移転してキャパを変更することで
今までの問題をクリアできるのかどうか。

今回は、キャパをかなり抑えて「お任せコース」で
より高額設定の「サロン化」で、
常連客、マニア重視を狙っているようです。
私は認めていませんが、
純粋なファンも多い小林シェフの「フォリオリーナ」の
成功を参考にしたいのではないか。
恐らく今でも人件費を抑えていますが、
新店ではマダムと二人だけの運営にするのではないでしょうか。
「ブルギニオン」の菊地シェフとちがって、
万人受けしないどちらかというと癖のある三鴨シェフ。
私はオーナーシェフではなく、
寛容な経営者の元で雇われシェフとして権限を与えられて、
好きなように振舞う(ただし厨房からホールへは出ない)のが
最も彼の才能を生かせる手段と再三述べてきましたが、
今回の「サロン化」には膝ポンでした。
相性の合わない客が多いですが、
反面この手のタイプを好むマニアックな客も存在します。
キャパ、スタッフと固定費を押さえ、
高額化した客単価をそれなりに食材や調理に反映すれば、
うまく運営できるのではないかと考えます。
ここ数年、まだまだレベルは高いですが、
自慢の「野兎のロワイヤル」のクオリティが落ちてきた
との意見を多く聞きます。
自分を受け入れてくれる客に絞って、
しかし、客への還元を忘れずに頑張れば、
今度はうまくいくのではないか。
新店のオープンが楽しみであります。


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2006年1月28日(土)

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