自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第902回
メインが代わり映えしないのが残念、ビンゴ 1

西麻布の日赤通りのビル地下に
変わったシステムをウリにしたイタリアン
「Bingo(ビンゴ)」が一昨年オープンしました。
広尾駅から徒歩10分、
元バーをほとんど居抜きで転用したカウンターをいれて
キャパ20名弱に、厨房2名、サービス1名のスタッフです。
カウンターは変に高くてあまり居心地が良くありません。
テーブル席もそれほど座り心地はよくなく、
余裕の配置には程遠いもの。
要は、初期投資を抑えた出店ということで、
この店は本当にヒロから独立したオーナーシェフの店だろうと
想像できるのです。
どの雑誌か忘れましたが、
この店の開店資金の内訳、用意した資金、借金、
設備改造費、賃料、保証金、運転資金などの
明細が載っていたのを思い出しました。
確か、総費用が3〜4千万円の範囲だったと記憶しています。

料理はお任せコース(6500円)。
8皿ほどで、野菜を多用した料理は量も充分なのですが、
客全員が同じ料理を食べている光景がこの店の特徴というか、
シェフは同時に同じ料理しか造らないというスタイルを
ウリにしております。
シェフは決めた順番で料理を造り続けるので、
入店した客はその流れに途中から参加することになります。
食材比率を上げてCPを高めることを考えた結果、
同じ料理を一度に造ることで、歩留まりやスタッフ数など
経費を削減できるこのシステムを思いついたとのこと。
確かにスタッフ数は最小限に近いものがあります。
食材や調味料なども一度に使ったら倹約になるでしょう。
しかし、これでは、入る時刻やその日の先客の状況で、
パスタか他の野菜料理か前菜か、スタートする料理がわかりません。
最初が肉料理に当たってしまった場合は
どうするのか聞きましたところ、
肉は1回パスすることが出来るとのことでした。
最近は、〆にパスタを出す店、
たとえば「カーサ ヴィニタリア」が受けていますから、
前菜、パスタ、メインという順番に拘る必要はないかもしれません。
お腹が空いているときに
肉を味わいたいと思う方もいらっしゃるでしょうが、
このシステムで困るのは白、赤ワインをボトルで頼む場合の
抜栓順でしょうか。

<明日につづく>


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2006年2月23日(木)

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