自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第927回
シャンパーニュのセパージュは8種もあった

第912回のコラムを掲載したおかげで、
私はかなりの衝撃を受ける結果となりました。
古川さんがその後掲載された、
ソレラシステムの詳細説明の件ではありません。
よくあそこまでマニアックな事を
慌ててお調べになったと感心しますが、
私はあくまでイントロとして、
ソレラシステムがシェリーの特徴といっただけでして、
この「ソレラシステム」を問題にしているのではありません。
論点がずれちゃいました。

私が言いたかったというか、読者の方の誤解を解きたかったのは、
シェリーの認定品種が3種というのは、決して少ないものではない。
ブルゴーニュは原則単一品種、ボルドーも実質は3種だけ。
それでも造り手による味わいのバリエーションは、
シェリーに勝るとも劣らないはずだ。
造る場所、造る方法の違いによる個性は、
「シェリーや日本酒」だけのものではない。
モルトウイスキーも原料は限られていますが、
場所や会社によってまったく味わいが異なるではないですか。
聞きかじり、
俄知識や個人の思い入れだけで発言されると読者の方に、
「スティルワイン」は
少なくとも品種が4種以上使われているのが一般的なのか、
造る場所や造る方法による味のバリエーションが少ないものなのか、
畑の違いや造り手の醸造方法の違いが
ワインの味わいに出にくいのか、
といった誤った知識を与えてしまうことになると判断したからです。
「テロワール」が醸造所を指すというのもシャレならわかりますが、
スティルワインも個性がみなでていますから、
それならブルゴーニュでやボルドーでも、
「テロワール」は「醸造所」を指すことになっちゃいます。
ブルゴーニュ、ボルドーはじめスティルワインやモルトが、
シェリーに比べて造る場所、
造る方法で違いが「出ないもの」だと主張する
「ワインやモルトに詳しい方」がいらっしゃるならば、
友里はお会いしてみたいものです。
ブルゴーニュやボルドーはじめスティルワインに、
造り手や畑の違いによって価格差がピンからきりまであるのは、
味わいの違いによる市場の需給バランスの結果なのですが、
古川さんの主張はその市場原理の根底を覆すことになります。
私は価格差ほどの差はないと思いますが、
それでも高価なブルゴーニュの造り手であるDRC、
カリスマと言われているジャイエ、
ラフォン、コシュ・デュリのワインは、
ピノ・ノワールやシャルドネといった単一品種です。
他の造り手のワインや、村が違う畑、
格付けの異なる畑のワインの味わいに
シェリーほど差がないというのでは、
ワインラヴァーはその人生を否定されるでしょう。
(ブラインドで、明確に造り手と畑名、
ヴィンテージを当てる事は神技です)

さて、私が衝撃を受けたのは、
掲題の如く、シャンパーニュの認定品種は3種ではなく、
8種あるということを読者の方からメールで指摘され、
それを確認したからです。
ワインスクールでも普通、
シャンパーニュはピノ・ノワール、
ピノ・ムニエ、シャルドネの3種だけと言われているはずです。
皆さんも認定者や店のソムリエに聞いてみてください。
ほとんどの人が、つまらない質問をするなといった表情で、
「3種に決まっているだろ」と言うはずです。
私もすぐさま何人かの知合いの
ソムリエやアドヴァイザーなどに確認しましたが、同じ答えでした。
そこで、シャンパーニュに詳しいインポーター関係者と、
実際この8種を使ったというシャンパーニュを売っている業者に
知人を通して確認したのです。
「その通りです」の回答に私は衝撃を受けました。
こんな根本的なことを間違って認識していたのかと。

ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネだけではなく、
ピノ・グリ相当種、
その他聞いた事のないセパージュが4種もありました。
そしてより常識を覆す事実がその返答メールには書いてありました。
スペースの関係で、詳しくは次の日曜の
「ワインの諸々」シリーズに書かせていただきます。
とにかく、シャンパーニュの認定品種は3種ではなく、
8種であったとお詫びするとともに、
ここに訂正させていただきます。

勿論、この8種を使ったシャンパーニュに友里は興味を抱きました。
宣伝になるので具体名をかけませんが、
検索すると結構簡単にわかると思います。
いずれ飲んだ感想などをアップさせていただきます。


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2006年3月20日(月)

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