自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第991回
オーグードジュールよ、お前もか、ミノビ

私は「オー グー ド ジュール」系に関して
肯定的に書いてきました。
本店、日本橋店の2店、
微妙にテイストを変えた戦術は成功のようで、
評判は悪くありません。
料理の値付け、
ワインの値付けともにCPは悪くないと思っています。
しかし、「東京カレンダー」で
新たに3店目が芝にでるという紹介記事を読んで
目が点になりました。

オーグードとしては3軒目となるこの店は、
フレンチのテイストを持たせた「和食屋」だとのこと。
しかもカウンター主体の構成だというのです。
なんで目先を変えて和食を出すのか。
というか、2軒目を出してそんなに経っていないのに
なぜ直ぐ新店をだすのか。
調子に乗ってしまった、舞い上がった、
更なる利益追求に乗り出した、
投資組合のようなスポンサー筋からの要請が強まった、
などの理由が考えられますが、芝の地に和食屋。
近辺は
廉価な居酒屋やジンギスカンがしのぎを削っている激戦区のはずで、
私は興味がわいてきて早速出かけることにしました。

造り置きの小鉢料理が600円ほど、前菜が1000〜2000円、
肉などのおかず系が2千円以上と
この当りではかなり強気の値付け。
しかも、一皿のポーションがそれほどではないので、
単品で頼んでいくと
料理だけで軽く5千円超えてしまうことになります。
飲料も高い。
生ビールが800円、ワインはACボルドーが5千円でありましたが、
その他は1万円前後以上と高いものしか置いていません。

肝心の料理ですが、
和食の経験があるシェフが造ったフレンチテイストの和食は
「味濃すぎ」です。
お浸し、筍のフリットの衣、炊き合わせと表面的な強い味つけです。
上品さをまったく感じません。
スペシャリテの「いっちゃんハンバーグ」は
チーズを乗せトマトソースで食べるものですが、
どうってことない物。
〆の鴨丼はタレ濃すぎて正にマスヒロさん好み。
量が少ないのを自覚しているようで、
ご飯物以外に3皿すすめる方針ですが、土鍋ご飯(1.5合)が900円。
二人分はありますから、
カウンターなのに一人客には向いていません。
鴨丼も2千円、
値付けが高いワインを頼んで一人2万円近くになりました。

<結論>
今は2店の常連、雑誌読んだミーハー客で流行っているようだが、
この下町ックというか、マスヒロさん好みのシツコイ味付け、
そして何より問題なのが
量の少ない料理と値付けの高いワインで
リピートは難しい。
オーグードの方向性というか考え方に疑問をもってしまった。
このコンセプトの出店は間違いではないだろうか。


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2006年5月27日(土)

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