プロが教えます!公認会計士
山田淳一郎さんのトクする税金の話

第48回 生前贈与のための新相続税制
新制度理解のために
「相続税の仕組み(1) ― 相続税がかかるか?」

新制度を利用して生前に贈与を実行した場合において、
その後しばらく経った後、
贈与者である親が亡くなりますと、
生前の贈与財産を相続財産に取り込んで
相続税を計算することになります。
つまり、「新相続税制」を適用した場合の生前贈与は、
相続財産の一部又は全部の
「生前における仮渡し」の結果になります。

具体的に言いますと、
5億円の財産のある人がそのうち1億円を
子供に贈与して新制度を選択した場合、
子供は贈与時点で一旦は1,500万円の贈与税を支払います。

<新制度による贈与税の計算>
(1億円−2,500万円(贈与税の非課税枠))×20%=1,500万円

その後、贈与者である親に相続が発生した場合、
残りの4億円の相続財産があるわけですが、
これに新制度を利用して生前贈与した財産の価額
1億円を加算しますので、
相続税の計算上は、財産額は5億円となります。
この5億円にかかる相続税を計算して計算上の相続税額とし、
この額から生前贈与の際に支払った贈与税の
1,500万円を控除した金額を納付することになります。

新制度を利用して贈与をしても
最終的には相続税で精算するわけですから、
新制度をご理解いただくためには
そもそもの相続税の仕組みを
知っていただく必要がありますので、
これから数回に亘って
そもそもの相続税の仕組みを大把みに説明します。

ところで、相続税がかかる人の割合は、
統計数値を見てみますと約5%です。
ということは、仮に100人の人が亡くなったとした場合、
相続税がかかるのはそのうちの5人だけで、
残りの95人には相続税はかかっていません。

相続税はすべての人にかかるわけではなく、
亡くなった人の財産が
「基礎控除額」を超えた場合にだけかかります。
つまり、亡くなった人の財産が
この「基礎控除額」以下であれば相続税はかかりません。

「基礎控除額」は、
「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」の額です。
(例)相続人が配偶者と子供3人のケース(計4人)
 5,000万円+1,000万円×4人=9,000万円

このように「基礎控除額」は
相続人が何人いるかで異なりますので、
同じ額の財産を持っている人でも
相続税がかかる場合とかからない場合があるわけです。

上の例ですと、亡くなった人の財産が
9,000万円以下だとしたら相続税はかかりません。
しかし、もし相続人が1人しかいないとしたら、
基礎控除額は
5,000万円+1,000万円×1人=6,000万円になりますから、
財産が同じ9,000万円であったとしても相続税がかかります。

執筆:税理士法人 山田&パートナーズ税理士 壽藤里絵
監修:公認会計士 山田淳一郎


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