プロが教えます!公認会計士
山田淳一郎さんのトクする税金の話

第62回 生前贈与のための新相続税制
新制度、贈与する財産は何でもOK、贈与回数も制限なし

新制度を選択した場合、
特別控除枠2,500万円までの贈与であれば
贈与税がかかりません。
それでは新制度の適用が認められる贈与財産には
どのようなものがあるのでしょうか?

実はこの場合の贈与財産は
現金でも株式でも不動産でも何でもよいのです。
また、一つの財産の価額が
どれだけ高かろうと低かろうと関係なく、
贈与財産の価額に上限下限の制限はありません。
さらに、少額の贈与財産を何度も贈与することもできますし、
一気に多額の財産を贈与することもできます。
即ち、贈与財産の種類、金額、贈与回数に
一切の制限がありません。
この点、現行の贈与制度と変わりがないことになります。

しかし、贈与財産の種類、金額、贈与回数に
制限がないからといって、
どの財産を贈与すべきかをよく検討せずに
やみくもに新制度を使うのはよくありません。

新制度を選択すると、
贈与者である親が亡くなり相続税の計算をする際に、
相続財産にこの制度の適用を受けて贈与された財産を加算して
(即ち、贈与財産を相続財産にもち戻して)
相続税を計算することになります。

その際、相続財産に加算する贈与財産の価額は、
贈与された時点の価額になります。
たとえ、相続時の贈与財産の価額が
贈与時に比べて下落していた場合であっても
贈与時の高い価額で相続税を計算しなければならないのです。

そこで土地や株式のように時価が変動し、
将来の価値がわからないような財産の贈与を受ける場合には
将来価値が下落する可能性があることも考えて
新制度を使うべきかどうか十分な検討が必要となりますし、
明らかに価値が下落傾向にある財産は
新制度を積極的に採用すべきではありません。

その他、個人事業者である親が
子供に棚卸資産を贈与すると、
棚卸資産の贈与については
贈与者(親)の贈与した年分の事業所得の金額の計算上、
その棚卸資産の価額を総収入金額に算入すべし
というルールがありますので
贈与者(親)側において計算上発生した利益に対して
所得税がかかります。
また、土地・建物の贈与には登記が伴いますし、
その場合の登録免許税や不動産取得税は
相続による移転の場合に比べ高くなりますので注意が必要です。

執筆:税理士法人 山田&パートナーズ税理士 山本武尊
監修:公認会計士 山田淳一郎


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