インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第74回
言い続けること、率先垂範すること

日本企業がインド企業と付き合い始めると、
こちらの意図が正しく伝わらない、所定の資料が出てこない、
時間通りに事が進まない、返事がない(遅い)など、
いろいろと不満を抱くようになります。

私も付き合い始めた当初は、
幾度となくいらいらさせられることがありました。
しかし、ある程度付き合っていくと、
彼らは自分なりに一生懸命やっているのであって、
やる気がないわけでも、こちらを軽んじてるわけでもない
ことがわかってきました。

ですので、付き合いながら問題があれば
根気強く言い続けるという方針で臨むべきでしょう。
私にとって、インド人パートナーに対してプッシュしたり、
何かを指摘するという行為は日常です。

インド人に日本流の仕事の仕方にあわせてもらいたい場合は、
言い続けることに加えて、
こちら側も率先垂範することが大事になります。
納期を守る以上に早い対応をする、質問にはそらさず答える、
返事は早く、進捗をまめに連絡する、メールには返事を出すなど、
我々もきちんと実践していかなければなりません。
これをやり続けることで、
相手も変えられるし、自分も鍛えられます。

インド人に対しプッシュすると言う行為は、
続けていけば徐々にこの頻度は減っていきます。
ですので、インドの新規の相手と取引を開始の当初は、
プッシュするなど、こちらの作業負荷が増えることは
織り込んでおかないといけないでしょう。

また、素直さややる気や反発の仕方など相手の人間性を見て、
時間をかけても変わらないと見たら、
最初から付き合わない、
早々と切るなどの見極めも大事です。

企業同士の長期的な提携など簡単に切れないケースでは、
事前にできるだけ こうした相手の性格、
特にトップの性格を見るように心がけることですね。

また、逆に相手側インド人が顧客の場合は、
逆にこちらが相手に徹底的に合わせ、
相手の期待を超える対応をすべきであることは
言うまでもありません。


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2012年5月10日(木)

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