新入生、荒木尊史さんのQさん経営学実践奮闘記

第42回
ブルーカラーの給与が上がってきました

ここ数年、賃金は毎年数パーセントの伸びで上がっています。
但し、大きく上がっているのは
事務方やIT系技術者などの専門職で、
いわゆるホワイトカラーに分類される人々の賃金です。
その伸び率は平均を大きく上回っており、
毎年十数パーセントといった急激な賃金上昇が起こっています。
一方、集約産業的な作業を行なっているスタッフや、
レストランの店員、ホテルやビルの清掃員といった
ブルーカラーの人々の賃金は、
10年前から見てもわずかに上がった程度で、
月給は550元から800元が相場です。
この層の給与は今後数十年に渡って上がらないというのが、
中国においての定説でした。
なぜなら、都市部に出稼ぎに出てきている人々は、
全人口から見ればまだまだわずかであり、
後ろにはまだ9〜11億人が控えているからです。

それが、ここ最近異変が起きているのです。
異変に気付いたのは、
昨年の国慶節(10月)を過ぎたあたりからです。
スタッフが全然集まらないのです。
旧正月明けは、通常であればもっとも人材を探しやすい時期です。
中国では旧正月中の人材を確保する為にも、
7日以上の長期休暇を認めない会社がほとんどです。
当然一度辞めたスタッフは出戻り禁止です。
よって旧正月前に仕事を辞めて故郷に帰り、
旧正月明けに都会に戻り
新しい仕事を探すというパターンが珍しくありません。
こうして旧正月明けの街は仕事を探す人々で溢れかえります。

しかし、今年はこの旧正月明けでもスタッフが集まらないのです。
人がいないわけではありません。
どうも賃金相場が急に上がったようです。
昨年までは、皿洗いのおばちゃんであれば
“食事宿付き550元”ですぐに見つかりました。
今年は700元を提示しても“考えさせてくれ”と言われます。
相場より高い給与(1,000元以上)と思っていた店員達も、
他にもっと良い条件の仕事が見つかったので、
辞めていくというケースが目立ち始めています。

今、中国でいったい何が起こっているのか。
私も考えているところです。


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2007年6月2日(土)

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