第20回
長安汽車の香港上場を契機に「B株とH株の統合」も?

重慶長安汽車(200625)が
A株とB株からH株に乗り換えると言い出した
背景の一つとして、
中国本土市場の低迷及び
限界があるからだと思われます。

中国企業にとって、
香港は一番身近な「海外」であり、
少なくとも海外進出のファーストステップや
テストケースとしてはうってつけです。

A株やB株に上場し続けるよりは、
H株を発行し直して香港市場に上場すれば、
その先にはニューヨークやロンドン、
さらには東京など
資金調達ルートの確保につながります。

資本政策上ばかりでなく、
事業の海外展開にしても、
香港に上場することは戦略上、
非常に大きな意味があります。

このように考えているのは
重慶長安汽車ばかりではない、
ということは容易に想像つきます。
以前にご紹介した上海振華港口機械しかり、
B株には優良銘柄が少なくありません。
B株上場銘柄にとって、
香港への上場の方が得策だと思える材料は
かなり多いのです。

B株とH株はもともと同じような
機能があると説明しました。
もちろん、その誕生の背景は全く違うのですが、
現在までに、B株とH株を区別する必要、
あるいはそのメリットは
少なくなってきているのではないかと考えています。

好調なパフォーマンスを続けるH株、
それに比べて、将来的に廃止が確実なB株。
中国当局の立場に立つと、
A株とB株とでは規模が違いすぎて
すぐに統合は難しいけれど、
B株をH株に統合させることによって、
B株をスムーズに廃止して、
しかもB株にH株の好調さを引き継がせる、
一挙両得ではないか、
という発想が出てもおかしくはありません。

「B株のH株への統合」
実際問題として、
このように書くほど簡単な問題ではありません。
すぐに実現するとも思えませんが、
可能性としては面白いかと思います。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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