第77回
浙江高速道路、経済活動の活発さに恵まれた経営
江蘇高速道路(hk0177)と並んで、
高速道路銘柄として人気があり、
かつ好業績のものに、
浙江高速道路(hk0576)という銘柄があります。
基本的には
浙江省政府が投資する高速道路の
建設・管理・経営企業です。
その筆頭株主は
浙江省交通投資集団有限公司。
江蘇高速道路が、
やはり江蘇省政府系の江蘇交通控股有限公司が
筆頭株主であるという構造に似通っています。
滬杭甬高速道路(総延長248km)と
上三高速道路(同142km)を主軸に、
傘下企業を通じたサービスエリア経営、
自動車修理、ガソリンスタンド経営、
広告事業なども展開しています。
主力はなんといっても、
滬杭甬高速道路で、
上海(滬)−杭州(杭)−寧波(甬)という、
現在までに最も注目されている
長江デルタの最重要ラインをつなぎます。
浙江省もやはり江蘇省同様、
上海市と隣接しており、
上海市や江蘇省とともに
長江デルタ地域を形成しています。
浙江省、と聞いて、まず思い出すのは、
民間企業の活動が活発である、
ということです。
浙江省を拠点とする民間企業を
ざっと挙げただけでも
万向集団、横店集団、正泰、徳力西、
広厦、雅戈爾、人民電器、寧波三星、華立など、
いずれも全国区の知名度を誇る企業ばかりです。
また、永隆実業や中程科技などが
相次いで香港市場への上場を果たし、
民間企業の上場数でも中国トップ。
民間企業として、初めてH株を発行したのが
浙江ガラス(hk0739)
というのも偶然ではないでしょう。
国有企業と民間企業という区分において、
中国では必ずしも、
民間企業が「優秀」「有望」ではなく、
「安定」という意味では、
極めてリスキーな面がある民間企業ですが、
民間企業の活動の活発さが
経済的な好調さに裏づけされていること、
したがって、生活や消費などの水準も
自ずから高くなっていることは
言うまでもありません。
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