第95回
48工場中47工場に閉鎖命令、唯一免れた華潤水泥

手広く、しかも注意深く選択しつつ、
産業投資を進めて、
すでに各分野で
トップレベルに君臨する華潤集団。

その傘下の上場企業の数も
膨大なのはもちろん、
2003年だけでも、
一部資産をスピンオフして
2社が香港上場を果たしています。

この2社は、
電力部門担当の華潤電力(0836)と、
セメント部門担当の華潤水泥(0712)です。

華潤電力については以前触れましたが、
五大発電企業グループに属さない
独立系の発電投資会社として
順調に勢力を拡大しています。
華潤集団の豊富な資金力を背景に、
中国最大手グループの上場旗艦である
華能国際発電(0902)にも資本参加しています。

華潤水泥は、
広東省や広西チワン族自治区など
南方地域を中心とした生産基地で、
一部コンクリート製品は
香港が主な市場ともなっています。
華潤集団そのものが香港を拠点として
やってきていますので、
地の利を生かしてもいるわけです。

中国のセメント市場は競争が激しくなっています。
ニーズとしては、
インフラ整備が急速に進む中国において、
堅調を維持していますが、
いかんせん中小のセメントメーカーが跋扈しており、
この淘汰は中国のセメント業界において、
一貫した課題になっているのですが、
思うように進んでいないのが現状です。
地方政府が育成する産業としてのセメント産業というものは、
地方利権と絡んで、
地方政府などにとっては、
非常に魅力的なものであるからでしょう。
中央もなかなか手の出せない分野といえます。

一方で、03年には深セン市の
市内47のセメント工場が閉鎖を命じられる
ということがありました。
同市には全部で48のセメント工場があったとされ、
そのほとんどが強制的に閉鎖されたことになります。
閉鎖されなかった唯一の工場こそ、
実は華潤水泥系の工場でした。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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