第94回
参入分野ですべてトップ、華潤集団の多角事業の狙い

華潤集団が手がける事業は
多岐に渡っています。
とても一つ一つを挙げることは
できないぐらいなのですが、
同社の公式サイトでは、
以下のように自身の事業をまとめています。

・不動産
・食品
・ビール
・石化
・小売
・紡績
・セメント
・電力
・ハイテク

最大の特徴は、
いずれかの事業に注力するのではなく、
すべての分野において、
常に中国トップを目指して
躍進していることです。

政府の後ろ盾と
豊富な資金力がなければ
できないことです。

また、一部例外を除いて、
いずれも従来産業的で、
流通方面など以外では、
軽工業分野に強みを持っているともいえます。

すべての分野で
トップを目指しているといいましたが、
当然例外もあります。
石化分野では、
香港で手広くガソリンスタンドを展開、
その他にも既製油などの
小売卸売りなどもしていますが、
この分野で、例えば中国のBig3、
特に中国石油天然気(CNPC)や
中国石油化工(シノペック)との対抗路線は、
いかに華潤集団とはいえ採用することはできません。

従来産業、一部流通、軽工業などなど、
これらは考えてみれば、
石油分野のように
国策的な国のバックアップを必要とせずに、
国家予算にも組み込まれるような
途方もない資金がなくても、
業界のリーティングカンパニーを目指すのは
難しくないといえます。

華潤集団は、
まさにこれを狙っているのだともいます。
手広く事業展開しながら、
業界をけん引できる存在になれるような業界を物色、
ターゲットを決めたら、
そこにとことん自身の強みを発揮、
結局は、目的を達成する、という具合です。

石化事業は香港だけにとどまり、
決して、Big3が君臨する本土には手を出さず、
また、利権の絡みやすい
インフラ系にも手を出していません。
今後はどうなるか不明ですが、
国の統制の強かった自動車分野にも
進出していないなど、
華潤集団は自身を見極めて、
住み分けをしているともいえます。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

←前回記事へ 2004年6月28日(月) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ