第235回
二転三転するC株報道、非流通株専用ボードの真相

C株が創設された場合の市場への影響もさることながら、
そもそもC株というものが、
便宜的な名称だけでなく、
本当の意味で創設されるのか、
創設されるとしたらいつのことなのか、
などなど、基本的なこともまだまだ不透明です。

2004年12月に流れた
「C株創設か」という報道について、
一時は国営通信社の「新華社通信」系統のウエブサイトでも
大々的に流れましたが、
その後すぐに深セン証券取引所が
「C株創設」報道を否定しています。

その深セン証券取引所が2005年1月に
「上場会社の非流通株式譲渡の実施細則」
(以下「実施細則」)を発表、
それを元に、深セン証券取引所の否定見解も
どこ吹く風とばかりに、
メディアでは一斉にC株をクローズアップしました。

さらに、その再度のC株報道も否定されるなど、
めまぐるしく二転三転しています。

ただし、C株という名称はともかく、
非流通株式の問題解決に向けた考え方としての
専用ボードの創設という発想そのものは、
説得力があります。
というのは、以前にもご紹介したように、
流通株式と非流通株式の問題は、
中国証券監督管理委員会(CSRC、証監会)や
国有資産監督管理委員会(国資委)の対立を引き起こしており、
その中和策として「C株」は有効なのではないか、
と見る向きが存在するのです。

CSRCにとっては、
流通株式に代表される中小株主の権益保護及び市場育成は、
「資本市場の改革開放と安定的な発展推進に関する若干の意見」、
いわゆる「国九条(9条意見)」の徹底という
国務院が示した方針を遵守するものにつながります。

一方で、国有資産の流出が深刻化しており、
管理強化の必要性を迫られている国資委としては、
上場会社に対して
その権益を代表する非流通株式及び
その権利のいかなる侵害も認められないというのが
基本的な立場です。

中小株主の権益保護が進めば、
相対的に非流通株主、
つまりは国資委の立場は弱められます。
CSRCとしては、
国資委や国有資産問題にも配慮しつつ、
新たなボードを創設するという
市場構造の複雑性を増すというリスク覚悟で、
非流通株式問題の解決に向けて動き出したのが、
メディアを通じて
「C株」という表現に変わったというのが
真相なのかもしれません。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2005年1月18日(火)

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