第245回
経済成長9.5%という数字は修正の可能性も

経済指標に限らず、
あらゆる統計データが、
中国のものは信じられない、
というのはある意味で正論です。
中国の制度改革はまだまだこれからですし、
それは、もう少し長い目で見る必要があるのは
間違いありません。

投資を考える上では、
統計のデータは非常に大切なものです。
それが信じられないというのは、
投資のリスクの一つとして
認識していただきたいと同時に、
中国に投資をする、ということは、
そうした依然として残る制度上の欠陥に対して、
寛容を示す度量がやはり必要で、
むしろ、欠陥の改善に末永く付き合うぐらいの気持ちで、
中国に対する理解を広げていだくことも必要です。

ただ、中国に限らず、どのような場合でも
統計データは過信できません。
あくまでも目安ですので、
その程度で把握しておくことに越したことはないのです。

私の知り合いの中国の方は、
「中国の統計は確かにでたらめなところが多く、
 信憑性は疑問だが、同じような体制で、
 同じようなシステムで、同じような方法で
 長年調査が続けられてきたことは間違いなく、
 その意味で、数字そのものは信じられなくても、
 各年の増減、あるいは数字の推移の傾向は、
 ある程度、信頼に足る」とも話しています。
一理あるようです。

2004年が終わって1カ月も経たないうちに、
速報値ならともかく、
2004年の経済指標が出揃うのは
少し異常だとの指摘から、
中国の統計全体の問題点にまで話が進展しましたが、
実は、お話したかったのは、
それそのものの信憑性はおいといて、
先日発表された
実質9.5%という04年の中国の経済成長率は、
あくまでも「速報値」と考えておいたほうがよい、
ということです。

もちろん、中国の統計部門では、
9.5%を速報値だとはしていませんが、
前後の状況を考えれば、
いつ修正が入ってもおかしくはありません。
03年の経済成長も、
04年前半に9.1%と発表されましたが、
04年中に9.3%に上方修正されました。
これは、03年には新型肺炎SARSもあって、
若干混乱気味だった、という要素もありますが、
それを差し引いても、
中国の統計は修正されやすい、
という性質があることは
確認しておきたいところです。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2005年2月1日(火)

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