第259回
「投資」と「消費」の関係で、中国の今後を見極める
以前までにもお話ししましたが、
中国の経済成長の
「投資」と「消費」との兼ね合いを
もう少し深く検討してみましょう。
そうすることで、
中国の今後が見えてくるものがあると思います。
2004年の中国のGDPは、
1月25日発表時点で9.5%。
実額は13兆6515億元となっています。
「投資」、つまり固定資産投資総額は7兆7300億元、
前年比25.8%増となっています。
「消費」、つまり社会消費財小売総額は5兆9350億元、
同10.2%増です。
ここ数年の推移を見てみると、
まず、「投資」では、
2000年に前年比10.3%増となって以降、
その伸び幅は03年には27.7%となり、
一貫して二桁成長を続け、
かつ、その伸び幅を拡大させてきました。
04年は25.8%となり、
前年の伸び幅と比べれば低くなりましたが、
それでも高い水準を維持しているといえます。
一方の「消費」は
2001年に10.1%となりましたが、
04年を除き、
いずれも一桁の成長にとどまっています。
さらに、2003年は9.1%となり、
その年の修正後経済成長率9.3%を下回る
という現象まで起きています。
ここ数年、「消費」が「投資」に比べて
いかに伸び悩んでいるかがわかるでしょう。
さらに、中国における
「消費」と「投資」の関係は、
実は01年までは、
前者のほうが後者よりも高い実額を保っていたのです。
例えば、2000年の「消費」額が
3兆4152.60億元であったのに対して、
「投資」額は3兆2917.70億元です。
1000億元以上、「消費」のほうが
上回っていたことになります。
01年になると、
「消費」の伸び幅が10.1%であったのに対して、
「投資」は13.0%となり、
それぞれ3兆7595.20億元と3兆7213.50億元。
若干「消費」のほうが上回っていますが、
それでも格差はほとんどなくなりました。
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