第322回
人民元切り上げのリスク、実施直後に資金撤退

人民元の切り上げについて、
今年中にも実施されることもありえること、
その実質的な切り上げ幅は
MAXだとしても
15%には達さない可能性が高いこと、
などを考えると、
切り上げによるプレミアムというのは
それほど高くない、
ということが指摘できると思います。
例えば、株式市場で資金を回せば、
年間で15%というのは
難しい数字ではないでしょう。
切り上げられるかどうか分からず、
切り上げられたとしても
どうなるか分からない中で、
切り上げのために投資する、というのは、
やはり本末転倒のような気がします。

私は以前までにも一貫して言っておりますが、
人民元の切り上げは
「思いがけないボーナス(になるかもしれない)」
程度に考えて、
中国株など、中国への投資は
長期的に考えなければなりません。

切り上げられたとしても
高率での切り上げにならない以上、
むしろリスクの方が
大きいのではないかとも考えられています。
現在、中国及び香港には、
多かれ少なかれ
人民元切り上げを狙った資金が
世界中から流れています。
しかし、実際はあまり
プレミアムの高くない切り上げが行われれば、
失望感が広がり、
とりあえずの利ざやを稼いで、
資金を撤退させるというケースが
多くなってくることが予想されます。

そうすると、切り上げが行われた後、
すぐにでも、中国及び香港から
資金が大挙して撤退していくことが想定できます。
例えば、中国の不動産、
特に大都市のその価格の高騰は
問題視されていますが、
これも多かれ少なかれ、
人民元の切り上げ期待が盛り込まれています。
その期待がある意味で裏切られれば、
地価は急落する可能性が高まります。

それで、すぐに中国の不動産バブルの崩壊に
つながるとはあまり考えられませんが、
切り上げ期待による中国の不動産投資は、
現時点において、
すでにかなりリスキーなものに
なってきているとは言えそうです。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2005年5月19日(木)

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