第323回
切り上げ後のタイミングが、むしろ買い時買い増し時

私はそもそも人民元の切り上げには
それほど期待しないほうがよい
という考えでしたが、
ここにきて、
さらにその考え方がはっきりしてきました。
前回までにお話したように、
少なくとも今年中に行われることが想定される
元の切り上げは、
むしろ現在の中国及び
香港への資金の流れをストップさせるどころか、
逆に急速な流出をもたらし、
不動産価格や株価などにも
一定の影響を与えることになりそうです。

ある程度の切り上げが行われれば、
貿易、特に輸出にも
少なくない影響が出てくることが
想定されています。
現在の中国経済の構造を考えれば、
輸出の成長に歯止めがかかると、
中国の経済成長全体に
その影響が波及する可能性すらあります。
マクロ経済に言及しなくても、
輸出産業は実際にも
ある程度の影響はあるでしょう。
それよりも大きいのは、
心理的な影響かもしれません。
中国国際コンテナ(200039)や
上海振華港口機械(900947)など
B株の優良銘柄の連休明け
株価パフォーマンスが好例でしょう。

ただし、中国経済の
長期的な成長トレンドは不変です。
それを前提として考えれば、
人民元の切り上げは、
中長期的に見て、不可避な事象です。
ならば、そうした動向に一喜一憂するよりは、
むしろ、そうした動向に耐えうる精神力を
養う必要が出てきます。

もともとは、
人民元の切り上げが行われれば、
中国株や中国不動産も、
基本的にはその利ざやも稼げるという考え方が
根強くあっただけに、
実際に切り上げが行われ、
資金が大挙して
「一旦」引き上げるという現象が
加速するようなことがあれば、
失望感がかなり強まります。
ただそれも私は一時的な現象と考えます。

経済が急成長している中で、
投機的な行為はある意味やむを得ません。
その行為の被害を受けない一番の方法は、
何よりも落ちついて、
静観かつ達観できるかどうかに
かかっているともいえます。

そうした意味で、切り上げ後、
その「ショック」の真っ最中ぐらいのタイミングが、
むしろ買い時買い増し時になる可能性も
あるぐらいです。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2005年5月20日(金)

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