第351回
B株:前回B評価から今回A評価−伊泰コール

中国本土のB株全110銘柄と、
1300社とも言われるA株の中から
厳選した有力企業30社を、
今回の業績のレーティング対象としましたが、
前回と比較可能な138銘柄の中で、
前回B評価からA評価に上がった銘柄は4銘柄、
そのうち1銘柄がA株ですので、
除外するとした場合、残り3銘柄は、
杭州タービン(コウシュウスチームタービン、200771)、
華新セメント(ファシンセメント、900933)、
伊泰コール(イータイコール、900948)となります。
いずれも共通していえることは、
2004年12月期で急成長を遂げていることです。

その中でも、
伊泰コールは最終利益が
前年の5倍近くにまで膨れ上がっています。
ただ、それだけではA評価にはなりません。
それまでにも着実に
増収増益を続けてきた実績が
データの中からも読み取れ、
プログラムがはじき出した総合的な結果です。

伊泰コールは、
中国大手の石炭関連企業グループです。
生産はもちろん、
運送から販売まで一手に引き受けています。
2004年はエネルギー不足となり、
石炭の欠乏も深刻で、
その分、生産者としての同社は、
製品価格の高騰による収益拡大という恩恵を
全面に受けた形です。
また、大幅な増益については、
輸送量車両が鉄道部に移管したことで、
車両維持費の計上がなくなったことも
挙げられています。

それまで、堅調に業容を拡大させ、
2004年、急成長を果たしたことで
業績レーティングとしては、
A評価となりましたが、
今後このペースでの増益は疑問です。
さすがに2005年12月期、
数倍の増益になることは考えられません。
今後も、石炭は
中国の戦略的物資であり続けることから考えて、
大幅な業績の暗転は考えられませんが、
2004年12月期が少し異常な成長を遂げた、
と考えるのがよいでしょう。

そうした意味で、株価としても、
短期的にみれば、今がピークの感があります。
99年には0.1ドルを下回る株価をつけましたが、
05年4月には1.2ドル代後半にまで値を上げています。
配当利回りも高く、
PER(株価収益率)も7倍程度ですが、
新規購入、買い増しは
もう少し時期を見定めた方がよいかもしれません。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2005年6月29日(水)

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