第375回
錯綜する証券会社のシノペックに対する評価

中国石油最大手企業の一つである
シノペック系の中国石油化工
(シノペックコーポ、0386)について、
リーマン・ブラザーズ証券は
投資判断を「イコールウエイト」から
「アンダーウエイト」に引き下げ、
目標価格も3香港ドルに下方修正しました。

前回ご紹介したように
ゴールドマン・サックス証券は
投資判断を「アウトパフォーム」に据え置き、
目標株価は3.65香港ドル。
証券会社の評価が完全に分かれること自体は
珍しい事態ではないですが、
さらに、JPモルガン証券は
投資判断を
「オーバーウエイト」に据え置いています。
この三社による評価は、
少なくともマスコミに明らかになったのは
7月25日で、
同じ日にあまりにも違う評価がなされるのは、
中国における石油セクターが、
現在、非常に流動的であることを示すとも
いえるでしょう。

しかし、ここ最近の株価の推移を見てみると、
6月28日に3香港ドルに乗せ、
その後、7月6日に3.125香港ドルをつけた後、
7月15日には3香港ドルを割りました
(いずれも終値ベース)。
7月22日は元切り上げ発表翌日ということもあり
3.25香港ドルまでつけ、
7月27日には3.325香港ドルまで戻しました。
市場の活況にも支えられましたが、
傾向だけで見れば、むしろ上向きです。

当然、証券会社の投資判断は
基本的には半年、
あるいは今後1年程度を見据えているはずで、
直近の株価だけでは、何ともいえませんが。

リーマン・ブラザーズ証券は、
同社の2005年純利益予測を、
当初の353.69億元から11.4%引き下げて
313.32億元としています。
当初の353.69億元も
それほど高くない水準ですが、
そこからさらに下方修正して、
そうなると04年比13%の減益となります。

一方で、JPモルガン証券は、
同社による石油製品価格の引き上げに加え、
今回の人民元切り上げにより
市場環境が改善されることで、
石油精製事業における粗利益率の回復が
見込めるとの予測を示しています。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2005年8月2日(火)

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