第390回
国際コンテナの見解:元切り上げリスク軽減努める
中国国際コンテナ(200039)の
2005年6月中間期決算報告では、
人民元切り上げの同社に対する影響について、
自社の分析を掲載しています。
結論に関しては、
前回ご紹介いたしましたが、
詳細をもう少し見ていきましょう。
それによれば、まずはじめに、
05年7月に発表された
人民元の米ドルに対する2%の切り上げ及び
通貨バスケットを参考にした
為替メカニズムの導入について、
「業界では、今回の発表は、
政府が全面的に
利益と弊害を勘案したものであって、
今回の切上げ幅であれば
中国の輸出成長に衝撃とはならない、
と普遍的に認識されている」としています。
また、人民元の切り上げの
財務諸表に対する影響について、それは
「資産や損益、費用などの項目の
貨幣構造によって決まるものであり、
人民元が主体であればあるほど、
影響が小さくなる」とした上で、
「当社の業務収入や支出構成は
米ドルを中心に行っており」、
「人民元に換算して財務諸表を作成した場合、
一定のマイナス影響が出る」としています。
ただし、
「(人民元を主体とする)
運輸車輌製造事業が急成長しており、
人民元ベースの収入も増えてきている」とし、
今後は米ドルと人民元との関係に注意を払い、
切り上げリスクの軽減を図るとしています。
また、コストについては、
鋼材の輸出政策と絡み、
中国国内で買い付けを行う場合、
人民元決済や為替変動のリスクを受け、
結局実質的なコスト増になる可能性を指摘しています。
また、業界動向について、
「世界的規模に見て、
9割以上のコンテナが中国で生産されており、
人民元の切り上げのコンテナ業界に対する影響は
全体に及ぶもので、
(その意味で、同社だけが大きな影響を受けることなく)
現有のメーカーの競争力が削がれるとは考えづらく、
業界や企業はこれらに対して順応できるだろう」
としています。
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