第429回
チャイナモバイルのCDRは外貨準備高の急増対策?

中国移動(チャイナモバイル、0941)については、
以前にARPU(1契約当たり月間平均収入)や
それに関する読者様のご意見を
紹介する形でお伝えしましたが
前回の、中国の急増する外貨準備高の
有効な利用方法の一つとして考えられている
CDR(中国預託証書)についても
最も意欲のある銘柄です。
05年9月の後半には、
同社はすでにCDRの準備を完了、
現在当局からの認可を
待っている状態だということを発表していました。

ただし、CDRがどのような形になるのかは未定で、
外貨準備高の有効な利用方法となるかどうかは疑問です。
しかも、CDRについては、
当局よりも企業側のほうが熱心で、
先行きが見えづらいA株を発行するよりは、
実質的に香港企業であるレッドチップ各銘柄にとって、
CDRはより魅力的な
資金調達ルートとなっているようです。
この観点からも、外貨準備高の急増に対して、
有効的にホットマネーを
海外に流出する方法としてのCDR
という考え方は成立しづらいかもしれません。

しかし、中国当局が、
外貨準備高の有効利用方法として、
香港に目を向けている可能性は否定できません。
その意味で、日本の財務省が
中国本土と香港の外貨準備高の合計金額が
日本を上回ることを発表したのは、
いろいろな意味で複雑です。

香港は中国領ではありますが、
経済的には別体系、
いわゆる「一国二制度」であり、
経済指標を中国と香港で
合算して考えるという例は極めて稀であり、
そうなると外貨準備高の合算は
全く無意味に映るかもしれません。

しかし、うがった見方をすれば、
中国当局が香港に目を向けていることを
察知した日本政府が、
香港を利用した形での
外貨準備高の急増抑制に動くかもしれない中国を
けん制したともいえなくもありません。
ただし、元の切り上げについて、
日本は米国ほど
切羽詰った状態にあるわけではありませんので、
米国が裏で糸を引くにしても
あまりにも回りくどすぎますし、
これは深読みしすぎでしょうか。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

←前回記事へ

2005年10月17日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ