第496回
外貨準備8000億ドル突入、人民元の切り上げ動向は?

中国人民銀行が発表した
2005年の金融情勢報によると、
同年12月末の中国の外貨準備高は
前年比34.3%増の8189億ドルに達し、
初めて8000億ドルを超えました。
わずか1年間で
2000億ドル以上増えたことになります。
日本の規模は8400億ドル程度ですので、
これには及ばないものの、
世界第2位であり、
かなりの規模に達しているといえます。

また、香港の外貨準備高は
1234億ドルとなりますので、
合計すると9432億ドルとなり、
すでに実質的に
世界一となっているとみる向きもあります。
しかし、以前にもご紹介したと思いますが、
中国に返還され、
国際的にも中国領となっているとはいえ、
香港は中国とはまったく別の経済実態であり、
これを単純に合算する方法が
妥当なものかどうかは
軽々には申し上げられません。

ただし、このペースで
中国の外貨準備高が伸びれば、
06年中には確実に中国単体で
日本を追い抜くことになりそうです。

上述したように、05年の1年間で
約2089億ドル外貨準備高が増加しています。
この増加額は05年の貿易黒字約1018億ドルと
直接投資額(FDI)の
実績約600億ドルの合計を上回っています。
05年末時点の国際収支の
詳しい内訳の発表は
まだ行われていませんが、
例年ならば06年前半に
国家外貨管理局などが行う予定ですので、
それをじっくりと観察する必要があります。

単純に、中国の外貨準備高が増えたことは、
中国の国際収支が
安定することを意味しますので、
中国のカントリーリスク低減には
つながっているといえます。
一方で、当然のことながら、
この急増は人民元の切り上げと及び
その状況と密接につながっているのは間違いなく、
少なくとも米国による
再度の切り上げを迫る圧力強化の
材料になることは間違いありません。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2006年1月17日(火)

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