日中を股に賭けるビジネスマン・千葉鴻儀さんが見た光と影

第28回
上海人

中国人の中で日本人に似ている集団は恐らく上海人でしょう。
人口密度中国一の大都会で暮らしている上海人は
気遣いのきめ細かさが抜群であり、またルールをよく守ります。
東西南北からの外来人口からなる上海人は
お互いに迷惑をかけないように日々気を付けています。

昔から東洋のパリといわれ、
中国人の中でファッションセンスのよさは
上海人の右に出る人はいません。
商業と金融の中心としての上海は
昔も今もその地位が変わっていません。
又地理的に中国沿海部の中心地に位置していますので、
内外エリートビジネスマンたちが
頭脳と手腕を競う町として有名です。
当社の顧問弁護士のTMI法律事務所の松尾先生が
「上海を制する人は世界を制す」という本を書きましたが、
上海で鍛えられれば、世界を制することができなくても
中国を制するチャンスはあるかもしれません。

上海人は西側からの影響を強く受けております。
法律の意識や契約の意識は
ほかの地方より持っているといわれております。
従って、上海人と商売する時、必ず契約書面を残しておくべきです。
契約さえあれば、上海人は守らない人があまりいません。
経済意識の強い上海人にとって
商売の相手がどういうバックグランドを持つかは
重要ではありません。
一番重要なのは、儲かるかどうかです。
友達だからといって
経済性を度外視する「任侠」は上海人には少ないです。
だから、上海人は
「人情味はない」、「計算が高い」
という評判が中国では立っています。
上海人は損することを異常に嫌っています。
もらうべき利益なら、大小問わず喧嘩しても必ず手に入れます。
一方、利益を余分にもらおうとする貪欲さはあまりありません。
上海人は北方地方の人間と違い、
計算しながら一歩一歩を進めていくのが好きです。
総じて言えばリスクテーカーではありません。

上海人の教育は中国でも屈指のレベルです。
西側への憧れから英語の上手な人が多く、
海外への留学ブームをリードしています。
昔からのよい伝統と広い見識を持つ上海人は
常に長い目を持ってものごとにあたってきました。
ほかの地方と違い、
空港にしても道路にしても緑化にしても
都市建設は50年、100年を見据えて作っています。
デザインの洗練さとセンスのよさはどの地方よりも優れています。
ここまでいうと、北京人はすぐ喧嘩を売ってくると思いますが、
中国の上海人と北京人は、
日本の東京人と大阪人と同じもの同士です。
上海人も地方から来た外来人に対して優越感を持っています。
こうした優越感は
上海人の優れたセンスとすぐれた教育レベルから
自然に身につけたものかもしれません。
世界の中心都市を目指す上海。
上海人はますます誇り高き人種になりそうです。


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2006年7月14日(金)

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