日中を股に賭けるビジネスマン・千葉鴻儀さんが見た光と影

第69回
西北人

中国の西北地区は一般的に
新疆ウィグル自治区、寧夏回族自治区、甘粛省、
青海省及び陝西省を指します。
陝西人は前のコラムで紹介しましたので、
ここで言う西北人は陝西人以外の人々を指します。
シルクロードといえば、知らない人はいないでしょう。
西北はまさにシルクロードの地域でした。
中国では西域の世界です。

シルクロード(Silk Road)は、
中国と地中海世界の間の歴史的な交易路を指す呼称であり、
沿路の国々は商売を通じて文化交流を行い、
共に栄えた歴史を考えれば、
中国の西北人は商売上手と連想してもおかしく有りません。
ところが事実は違います。

西北人は怠け者と呼ばれるほど動きの鈍い人たちです。
西北人と商売したいなら、
すべてを考えつくして提案してあげた上、
実物を彼らに見せないと、商売は成立しません。
西北人は貧乏生活から脱出するために
なにか仕掛けを作ったり
商売を追っかけたりするのが得意ではありません。
西北地区の都会の売店を見れば、
西北人は如何に商売下手かが分かります。
いたるところに広州人の経営する散髪屋、
浙江人の経営する裁縫店、
上海人の経営するファッションショップのほかに、
靴屋さん、時計屋さん、眼鏡屋さんなどなど、
殆ど地元以外の人たちです。
一方、上海や広州などの沿海部都市では
西北とちなんだ店は数少ないばかりか、
経営者も西北の出身者ではないケースが多いです。

ビジネスの場面では、賢い商売人は
目の前のちっぽけな利益のために
大きな利益目標を見失うことはしません。
ところが、西北の商売人は
すぐ目の前の利益に釣られて
本来の目標をすっかり忘れてしまいます。
数年前に西北には
シルクロードにちなんだ布生地の卸売市場がありました。
人々は浙江や広州からシルクや布生地を仕入し販売をしたり、
又は浙江や広州布生地メーカの代理店として
ブローカ商売をやったりして一時栄えましたが、
一部の西北商人は目先の利益を取るために、
メーカに値段を下げさせたり、支払いを渋ったりしたため、
とうとう卸売市場は供給ルートを失い閉店に追い込まれました。
西北人と商売する時には
信用調査をしっかりやったほうがベターでしょう。


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2006年12月15日(金)

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