インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第75回
臨場感を持って伝える

インド・ビジネスにおいては、いかにインド人に
良い仕事をしてもらえるかに最大限力を向けるべきです。
インド人は、楽しい仕事、気の合う顧客からの仕事では、
普段以上に良い仕事をしてくれます。
そうでない場合は、
契約書にある最低限の仕事しかしてくれません。

多くの日本人は、インド人はドライで、
お金のために契約に従って最小限の仕事をすると思っています。
これは間違いで、インド人はウェットだと思うべきです。

そういう状況ですから、
コミュ二ケーションがとりわけ重要になります。
私の場合、普段インド人とのコミュニケーションには
メールが主ですが、
チャットも多用していますが、時々は電話もします。

先月東京に出張して、何人かの顧客と面会しました。
そうした際には、電話連絡を多用します。
それは、仕事の指示に加えて、
今ここで会っているという臨場感を伝えるためです。

私の仕事の仕方は、顧客との対応はすべて日本で私が行い、
その内容から適切なパートナーを選び、
そのパートナーとチームを組み、
そのパートナーがインドでの作業を行うというものです。

ですので、ホットな顧客と会ったような機会には
電話連絡をすることで、顧客の考え、背景や雰囲気を
臨場感を持って伝えることができます。
また、仕事が増えそうな予感を与えることで、
彼らのモチベーションを上げることにもつながります。

インド人は効率的に仕事したい、
すなわち生産性を上げて、
より多くを稼ぎたいと思ってます。
ですので手戻りを減らすためにも、
顧客と密なコミュニケーションを
とっていることを知らせることは、
安心感を与えることにも繋がります。

さらに、こうした電話連絡には、私も仕事をとるために
頑張っていることを伝えることで、
同じ目的のために一緒に頑張っている
という一体感を醸成する事ができます。
また、「私が仕事してることであなたの仕事がある」ことも、
暗に伝えているのです。


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2012年5月15日(火)

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