インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第76回
インド人経営者のお金の使い方

今回は、インド人経営者のお金の使い方について、
感じたことを記してみます。

昨年、当社パートナーの個人企業経営者が来日した際、
私が案内役を務めました。
彼はせっかくの来日だからいろんな人に会いたいと、
延泊すると言い出しました。
そこで私がホテルの手配をすることになり、
探したホテルの名前と価格を言うと、
彼は常に「BestPrice!」を連呼し、
必ず「再度値引きを要求してくれ」と言います。
面倒くさいことこの上なしです。
そんなことなら、最初から延泊しないことが
最も節約になると思ったものでした。

またある時、インド南部バンガロールに住む
別のインド人パートナーと話をしたとき、
「来週はデリーで打ち合わせ」だということでした。
そして次の週、その彼から「今ニューヨークにいる」という
メールが来ました。
訳を聞いたら、「新しい仕事の話しがあって、
そのお客さんに会いにアメリカに来ているんだ」
と言うことでした。

インド人は自分にとって価値のあることは
お金がかかろうが即断で実施し、
その条件下で安くしようと頑張るのですね。
ただお金が出ていかなければいいコスト削減とは違うのが、
インド人です。

またあるインド人が資金繰りが苦しいと、
しきりに私に営業をかけてきたことがありました。
その彼は、デリー中心部の一等地に事務所を置いています。

彼のようにインド人は起業するときに、
立地の良い場所に事務所を置きたがります。
インドでは見栄えは大事で、事務所の立地が良いと、
ビジネスをする上で相当効果が高いようです。
資金繰り改善には、良い立地を放棄するのでなく、
営業で頑張るというのが基本姿勢です。

そのインド人に、「株式投資はしないのか?」
と聞いた事があります。
彼の答えは、「ビジネスの方が、全然面白い」と言うことでした。
これには、ビジネスをやっている人の場合は、
時間がないということもあるようです。
将来のために、投資信託をやっているという人は多いですから。


2012年5月17日(木)更新
- このコラムは火・木発行です -

これ以前の記事はこちらからご覧ください

4月24日 第69回 休日の仕事
4月26日 第70回 インド式経営にボトムアップを加味する
5月01日 第71回 少し鷹揚に接してください
5月03日 第72回 人脈をレバレッジする
5月08日 第73回 顧客志向が強まるインドの力を活用する
5月10日 第74回 言い続けること、率先垂範すること
5月15日 第75回 臨場感を持って伝える


土肥 克彦■土肥 克彦 (どい・かつひこ)
福岡生まれで、福岡在住。九州大学工学部卒業後、川崎製鉄梶i現JFEスチール梶j入社。海外向けプラント輸出部門で、90年代半ばよりインドに係わり、その可能性に触れる。2004年に有限会社アイジェイシーを設立以降、インドや周辺国での販路開拓やソフト開発等、日本企業の海外ビジネスをサポートしている。また、メールマガジン「インドの今を知る!一歩先読むビジネスのヒント!」を発行、インドに興味のある企業や個人を対象に日々インド情報を発信している。

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