“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第3回
超有名店の料理はまずい

テレビなどでとても有名になった料理店は、
意外とまずいことが多い。
本当に美味しい店ももちろんあるが、
まずい店のほうが圧倒的に多い。何故か?

前回、本物の味は旬の自然の食材の中にあることを述べた。
そのような素材の味を引き出すには、
手を加えすぎた調理はかえっていけない。
最低限だが、手間隙は惜しまないことが必要だ。
いい専門料理店は、
開店したときからお客に美味しいものをだそう、
居心地のよいサービスで美味しい思いをしてもらおう、
という心意気を持っている。
それによって、お客は満足をして、二度、三度と来るようになり、
口コミでお店の評判は上がってくる。

ある程度評判がでてくると、
美味しい噂を聞きつけた雑誌、テレビのマスコミは
その店をこぞって取り上げるようになる。
その記事、番組を見た客が急に増えて、店は超繁盛店になる。
こうなると、店側が大勢のお客へ対応に追われることになる。
必然的に店側は手間をかけることはできなくなり、
手抜き料理を作ることになる。
それでも、ブランドに弱い日本人客は、
有名店なら美味しいに決まっていると信じているから、
客足は途絶えない。
それなら、店員を増やせばいいかということ、そうでもない。
入ったばかりの新人は、実務は使えない。
むしろ教育のために手間がかかり、
かえって忙しくなるのがおちだ。

このような構造プロセスで、
有名な店は味が低下していくのである。
これは、繁盛すると手間暇を惜しむようになる有名店、
知名度が高い店を無理やり記事にするマスコミ、
その記事を信じて自分の舌の感覚はどうでもいいお客、
と三位一体の罪と言える。
これだけではない。
プロという職業そのものに美味の限界があることを、次に示そう。


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