“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第30回
蕎麦の実はいろいろな料理に使える

蕎麦といえば蕎麦切り(普通の麺状態の蕎麦)を
思い浮かぶ人がほとんどであろう。
しかし、蕎麦は色々な食べ方が愉しめる。
蕎麦粉を熱湯で溶いた蕎麦掻(そばがき)ももちろん美味しいし、
蕎麦粉を小麦粉の代わりに使った各種の料理もいい。
また、蕎麦の実は料理のバリエーションを広げる。
温泉玉子に少し加えるだけで、
口のなかをさっぱりさせる清涼感がでる。
蕎麦雑炊もいい出汁で煮れば格調高い食事になる。

蕎麦の実をどのようにして入手するかというと、
蕎麦粉を造っている製粉所から取り寄せるのがベストだ。
例えば、私の親戚ではないが、銚子の古川製粉(※)など。
国内産で、だいたいキロ千円ちょっと。

この蕎麦の実をどのように処理するかというと、
蕎麦雑炊の場合は水から煮て、三回茹でこぼす。
蕎麦はアクが強いので、煮てから汁を捨てて、
また水から煮ることを三回行うわけだ。
蕎麦の実は茹でるとだいたい二倍くらいに体積が増えるので、
それを見越して分量を決めておく。
水で煮た蕎麦の実を今度は出汁に合わせて火にかける。
出汁は昆布と鰹節でもいいが、具で鴨などを使うときには、
鴨のガラで取った出汁を使うのがいい。
最後に三つ葉などを配して、柚子皮を散らしておけば完璧である。

蕎麦の実は口の中をさっぱりさせる食感を持っている。
それで、たくさん飲んだあとに最後の食事として
蕎麦雑炊を出すことは、お腹に優しく喜ばれる。
また、大宴会の翌日の朝食に出してもいい。
蕎麦切り、蕎麦掻、蕎麦鮨、蕎麦豆腐、蕎麦雑炊、
蕎麦粉のクレープなどの蕎麦懐石のコース風に
蕎麦料理を提供してみるのも趣きがあってよい。

蕎麦切り以外の蕎麦もぜひ試して、
美味しい世界を広げていただければ幸いである。

 

(※)古川製粉http://www.sobako.co.jp/


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