“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第89回
北海道の珍味、「ぼりぼり」と「落葉」

札幌訪問のときに、
また、これまでの人生で知らなかった名前の
食材をいただいた。
居酒屋「開」のメニューにかかれてあったのは
「ぼりぼり」と「落葉」。
なにかというと、茸だという。
初めて耳にする食材があって、頼まないほうは無い。
両方注文した。

「ぼりぼり」はナメコのような
ヌルヌルの食感がとてもいい、柔らかい茸だ。
しかも平べったくて大きいので、
口のなかいっぱいに
ヌメリがのたうちまわっているかのような、
独特の感覚が体験できる。
味はやや淡白。
北海道と東北で「ぼりぼり」と呼ばれているが、
実は他の地方では「なら茸」と呼ばれているらしい。
そういえば、以前食べたような気がしないでもない。

「落葉」は、「ぼりぼり」よりは硬い感触があり、
こくのある味わいが癖になりそうな茸だった。
この味はなんか覚えがあると、
妻と考えていたが、思いつかない。
中華料理でいただくフカヒレの姿煮の餡の味を濃くすると、
こんな味になるかも知れないと思いつつ、
美味しくいただいた。
こちらは学名はハナイグチというらしい。
とても味わいが深い。

ともに大根おろしでいただいたが、
この茸を知っただけでも北海道に来た甲斐があった。
また、アイヌ葱も初めて意識して食べた食材であった。
最初は酢味噌でいただいたが、
上品な甘みがあって、とてもいい。
これは、天然のものをご主人が春に採取して、
冷凍しておくとのことだった。

アイヌ葱はギョウジャ大蒜のことだと言うが、
こんなに美味しいギョウジャ大蒜は食べたことがなかった。
やはり天然物でご主人が春に積んで冷凍しておくとのこと。

まだまだ、知らない食材に会えるのは、幸せだ。
しかし、同時に
これまで食べる経験がなかったことが悔やまれる。
会えるか、会えないか、どちらが本当に幸せなんだろう。


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