“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第124回
日本酒の勉強方法

日本酒はどのように造られるのか、
どのような種類があるのか、
どのように飲むと美味しいかなどの情報を知ることは重要だ。
同じ酒でも蔵の考え方、
その酒の造りの思い入れなどを知って飲むと、
美味しさがまた格別になる。
最近では結構日本酒ガイドとか
美味しい地酒を紹介した本などがたくさん出版されている。
大きい本屋に行くと、銘柄紹介、日本酒の基礎知識、
蔵元の造りの紹介、居酒屋ガイドなど、色々な本が並んでいる。

どの本を読めば手短に日本酒の知識が分かるかというと
なかなか難しいところがある。
美味しい銘柄を知るにしても、
そのガイドブックの著者は自分の好みと、
業界のしがらみのある銘柄を優先して書くから、
どれを信じていいかは難しい。
何故こんな銘柄が載っているのだろうと首をかしげる
ガイドブックも多い。
何が勉強の早道かというと、まずは実践で、
色々な地酒を飲み比べることが一番。
しかし、飲み比べる地酒の選定が問題となるだろう。

ある程度、日本酒の知識を得た上で飲んだほうが、
効率がいいに決まっている。
私の研究室の学生にまず読ませているのは、「夏子の酒」
学生は漫画好きで、
あのサクセスストーリーはなかなか面白いので、
興味を持って地酒のことを覚えてくれる。
作者の尾瀬あきら氏の続編である「奈津の蔵」も、
夏子の祖母が女性として始めて蔵に入る話で、
昔の酒造りの慣わしを越えて
女性が酒造りに参加していく姿を描いた、感動物語だ。

もう少し、専門的になると、
例えば、秋山裕一著「日本酒」岩波文庫などの
専門家の書いたものも一度は読んでおいたほうがいい。
また、地酒の蔵仕事などがよくわかるのは、
大七の名杜氏の伊藤勝治氏の一生を記した
箕浦淳一「ひとり旅」谷岡印刷出版部、
それに、藤田千恵子著「杜氏という仕事」新潮社
などが参考になる。

日本酒についてのきちっとした勉強をしたい人向けには、
菊正宗がやっている日本酒大学院という通信教育がいい。
これは毎年4月に開校し、
初級から初めて、上級クラスに進学することもできる。
私も現在日本酒の本を執筆中で、
こちらは業界常識と違ったところに
日本酒の本質があるといったことをテーマにしている。
日本酒業界とのしがらみなど何も無い身なので、
これまで取り上げられなかった事実を好き勝手に書いている。
春頃には出版予定なので、
本屋で手にとっていただければ幸いだ。


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