“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第165回
燗のつけかた

卒業記念パーティの席で、
各先生方は自分の研究室の卒業生から記念品を渡される。
何をいただくかは、その研究室ごとに学生が決めるので
同じものは無い。
で、私が何をもらったかというと、「燗付け機」だった。
東芝製で、とってと注ぎ口があるチロリのような外観で、
底に設置した電気コンロで日本酒を暖める仕組みだ。
「ぬるい」、「あつい」、というメモリのあるダイヤルで
温度を設定する。
とりあえず、酒を入れておけば、
数分で燗がつくのでなかなか便利で愛用している。

で、それ以前はどうやって燗をつけていたかというと、
電子レンジでチンという手軽な方法が多い。
薬缶でゆっくりと燗をつけるのも風情があり、
酒に無理な温度変化を強いることが無い分だけ、
美味しく燗がつかるが、
電子レンジでもしっかりとした造りの酒は
十分美味しい燗が楽しめる。

電子レンジで燗をつけるときには、
レンジは強にして、時間設定をする。
酒を入れる容器によって適切な温度になる時間は異なるから、
始めての容器でつけるときには短めの時間に設定して、
温度を確かめて、適切な時間を割り出すことが必要だ。
電子レンジで燗をつけたときには、
徳利の上と下で温度ムラが生じていることがあるので、
それを別な徳利に注ぎなおして温度を一定にすれば完璧だ。

最近ではうちの研究室の学生もすっかりと燗が気に入って、
懇親会を大学でやるときには
日本酒に電子レンジをセットにして会場に持ち込む。

宴会などで燗をつけるときには、
錫タンポ、銅タンポを利用することが多い。
熱伝導率が高いので、熱湯につければすぐに温度があがる。
温度状態はタンポの中をみていれば、
熱膨張で酒が膨らんでくることで分かる。
タンポのなかで、酒がざわついている、
と見えたときが適温となっている。
これを徳利に移して提供する。

旅行をしているときに、
宿の部屋で燗を飲むときにはどうすればいいか?
これは裏技がある。
電子ポットを利用する方法だ。
日本酒は4合瓶で準備して、
瓶ごと電子ポットにつけてしまうのが便利。
あとは、ペットボトルに入れて
洗面所の熱湯につけるという手もある。
色々と工夫してこそ、飲む燗酒は美味しい。


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2005年4月1日(金)

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