“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第175回
鴨の鉄板焼

洗足池の花見には、
豆腐の宮城屋の千葉社長夫妻さん、
つくばの鴨農場の西崎さんも参加していただいた。

宮城屋の豆腐はけんちん汁で美味しくいただく。
そして、西崎さんの持ってきたバルバリー鴨と合鴨の燻製、
それに鴨の玉子がとても美味だった。

バルバリー鴨は今回はオス。
西崎さんによるとメスのほうが旨いことが多いそうだが、
これでも十分満足した。
西崎さん発案の20センチメータ四方の厚い正方形の鉄板を
刀工に鍛いてもらって凹型に曲げたもの。
この鉄板では以前に八重洲の「伊勢廣」に招待されて、
バルバリー鴨や地鶏をご馳走になったことがある。
そのときにも、焼く具合のよさに関心したが、
今回もまさに、満足が行く焼き加減であった。

中華鍋のような凹面に乗せて焼くので、
鉄板にあたる表面積が大きくとれること、
そして、鉄板の輻射熱を多く素材が受けることで、
蒸し焼きにいくらか近い焼き方ができて、
旨さが逃げないのではないかというのが、私の解釈だ。
ふわっと美味しく焼ける。
なお、この鉄板は以前西崎さんからいただいたので、
自宅で豚を焼いてみたが、
それはちょっと薄めに切ったものだったので、
焼き加減が難しかった。
鴨は自分の脂をいい具合に鉄板に落としながら焼かれるので、
焦げもせずにいい具合に焼ける。
この脂が不飽和性脂肪酸を多く含んでいて、
美味しいばかりでなく、
コレステロールを流してくれるなどの身体にもいい。
凝縮されたバルバリー鴨の旨みを堪能できた。

合鴨の燻製もこの鉄板で焼くと大変美味。
こちらは、ほんのちょっと炙るだけでいただく。
参加者全員がこの鉄板焼きは絶賛していた。

また鴨の玉子もとても美味しかった。
温泉玉子として茹でたが、
温度計がなかったので、できあがったのは半熟に近い状態。
これが、甘みがあってとても美味。

これらの、料理に合わせた日本酒、ワインは
各自が持ってきたものだが、
伊賀市の「るみ子の酒」を造っている森喜酒造場から
社長の名前をとった銘柄「英」(はなぶさ)の
純米と生の差し入れがあった。
この燗がまた鴨によくあう。
満開の桜を愛で、
その花吹雪を受けて
桜模様の盃で飲む「英」はとても美味しかった。


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2005年4月15日(金)

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