“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第208回
ドイツのイタリアンのレベルの高さにびっくり

国際見本市で有名なハノーバーは、
戦災で一度壊滅して、その後復興された。
従って歴史的な建物は少ない。
ダウンタウンの繁華街は
地下鉄(Uバーン)で3駅にわたる狭い地域で、
歩いて十分に回れる。
ハノーバーに到着した翌日は
ホテルの近くの小さなイタリー料理店でランチをいただいたが、
白アスパラのサラダに苺が入っているのが印象的だった。
パスタも旨かった。

しかし、さらに2軒、
とてもレベルの高いイタリー料理店を訪問する機会があった。
最初の店はリストランテ・ギャロ・ネロという名前で、
中央駅から東東北の方向に数キロいった郊外にある。
ログハウス風の建屋の中はロフトのような造りになっていて、
なかなか快適だ。
ここでは、ワインはなんとイタリーワインしか置いていない。

スターターにやはり白アスパラガスを注文したが、
これはとても質の高い食材を使っていた。
生ハムで巻いて食べるが、
生ハムの塩気がアスパラガスの甘みをよく引き出し、
生ハムの脂がアスパラガスの繊維質の食感と合わさって、
至福の一皿だった。
今回の出張で食べた全部の白アスパラガスのうちのベストだった。

つぎに兎の挽肉をあわせたパスタ。
これは、マカロニとペンネの中間のような太さ、短さで、
こちらもなかなか旨い。

ワインは、最初はグラスのスプマンテで乾杯。
次に、白をアスパラに合わせて、
ポイエール・エ・サンドリのビアンコファイエをいただいた。
シャルドネの軽快な味わいがアスパラガスによくあった。

次にアルドコンテルノのバローロをすでに注文して、
抜栓もしていてもらったが、
メインが出るまでに白ワインがすぐに無くなっていたので、
中継ぎにアンティノリの
ヴィーノノービレ・モンテプルチアーノを注文した。
繊細な酸味が爽やかでパスタによくあっていた。

メインはラムのフィレ肉を楽しんだ。
これが、また秀逸。
前日食べたラムのリブロースの野生味とはまた違い、
上品な脂の甘みと、ぷりっとした食感がとてもいい。
やや火を通し過ぎの感はあるが、十分美味しくいただいた。
アルドコンテルノのバローロ1996年との相性もとてもよかった。
アルドコンテルノはさすがいい造りで、
しっかりした酸に支えられた骨格が
ラムの脂から旨みを引き出してくれる。
やや、若いのが残念ではあったが。

最後にデザートをメニューで確認すると、
それぞれ相性のいいデザートワインが提示してあった。
チョコレートムースとヴィンサントを合わせて、
至福のときが締めくくられた。
この店が、ハノーバーの
最高のイタリアンに違いないと確信を持った。
ところが、二日後にこれがまた裏切られることになる。


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2005年6月8日(水)

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