“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第253回
砂肝丼

砂肝は大好きな食材の一つで、色々な調理が楽しめる。
ちょっと蒸してから、醤油に一晩漬ければ、いい酒肴になる。
醤油に唐辛子、あるいは、ラー油を入れておけば、
ピリカラの味が楽しめるし、
また玉葱で甘みを出したり、
コリアンダーなどの香りをつけるのも面白い。
しゃきっとした食感と、醤油が浸みた味わいが
酒を進めることになる。

先日は、砂肝を使ってご飯を食べることを考えた。
オカズとして食べてもいいが、いっそ丼にしようと企画。
親子丼の鶏の代わりに砂肝を入れるということでも
成立しそうではあったが、敢えて、砂肝らしさを出そうと
別な調理方法で作って見た。

まず砂肝を炒める。
生姜を刻んでいっしょに炒める。脂はごま油を使用。
オリーブオイルで洋風に炒めるのも面白そうだが、
今回は最後の味付けにワインではなく、
日本酒を使うことにしたためだ。
ご飯にはやはり和風の脂のほうがいい。
ある程度熱が通ったところで、
日本酒と醤油を入れて味付けをして、
最後に蓋をして酒蒸し状態にした。

この砂肝を炒めたフライパンに椎茸と大和芋を同じように炒める。
大和芋は輪切りにした。
最後に日本酒と醤油を絡ませて、
やはり、蓋をして酒蒸し状態に置く。

砂肝と椎茸、大和芋をご飯の上に乗せ、煮汁をご飯にかけて完成。
砂肝の硬いしゃきっとした食感に、
椎茸のぷりぷりした感触が合わさり、
さらに、大和芋の砂肝よりはもろく崩れる
しゃきっとした食感が重なる。
そして、生姜と醤油と酒の風味がご飯とからまり、
なかなかの美味しさだった。
しかし、甘みが少し不足。
今回は試さなかったが、おそらく、親子丼のように、
玉子を絡めれば完成度がさらに高くなるだろう。
このときに、親子丼のように、
玉子に出汁を絡める必要はなさそうだ。
もし出汁も使うとすれば、砂肝で一度出汁をとっておいて、
それを用いるのが味の単純さを演出するのにいいと思える。
砂肝という個性の強い食材で作った丼には、
単純明快な味付けが一番いい。


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2005年8月17日(水)

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