“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第273回
築地場内市場での仕入れのポイント

まず、築地場内市場のメリットは何か
ということを説明したい。
魚の値段が安いからと思って場内に行くのは、
やめたほうがいい。
安い魚を仕入れたい人は、
産地直送の大型大量販売鮮魚店などのほうが、
よっぽど安いことが多い。

築地場内のメリットは、
通常では町の魚屋、スーパー、デパートの
魚売り場には出回らない高級魚介類が入手できることにつきる。
それだから、プロの料理人が買いに行くわけだ。
鯛、平目、ホシガレイ、マコガレイ、鱸、シマアジ、グジ、
マナガツオ、マダカ鮑、馬糞海胆、ホンマグロ、カツオ、ホヤ、
アオヤギ、ホッキガイ、アカガイなど、
季節に応じて、色々な魚介類がならぶ。
天然の上物もある。

しかし、築地といえども、
その魚もいいかというとそんなことは無い。
いいものもあれば、悪いものもある。
目が黒々としていて澄んでいる魚が新鮮とか、
身がずっしりとはいってぷりっとしたものがいいとか、
色々言われて入るが、魚の種類によって良し悪しはまた違う。
プロでも年季が入って
やっと魚の目利きができるようになるくらいだから、
素人は通ぶらずに仲買に相談してみることがいいだろう。
何回か通ってみて、やっと魚の良し悪しが少し分かってくる。

場内の仲買はその主要扱い食材が専門分野ごとに分かれている。
鮨ダネなどの上物を扱う店、
鮪専門店、貝専門店、海胆専門店などなど。
そこで、できれば上物ならここ、鮪ならここ、貝ならここと、
行きつけの仲買を固定しておいて何回も通うのが勉強になる。

さて、何時頃に訪問すればいいのか?
市場は早朝からと勘違いして早く行きすぎると
まだセリが終わっていなくて、前日の食材しか並んでいない。
セリが終わってプロの料理人で賑わうのが
朝の7時から8時過ぎ。
この時間帯は素人は邪魔になるだけなので、行くべきではない。
9時近くなるとすき始めるので、その頃が狙い目。
ただし、10時になると主要なものは売り切れてきて、
店を閉める仲買も多くなる。
9時前後くらいがベスト。

服装は汚れてもいいものにする。
場内は魚の血が飛び交い、床は水浸し。
靴はできれば長靴。
車で行く場合は場外に区営の駐車場があるので、
そこを利用するのが便利だ。


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2005年9月14日(水)

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