“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第272回
築地場内で仕入れよう

築地といえば、日本最大の魚市場がある。
場内市場と場外市場に分かれていて、
素人は場外市場でしか買い物ができないと思っている人が多い。
しかし、場内の仲買も最近は素人にも売ってくれるところが多い。

昨年のdancyu誌で、
築地場内で素人が仕入れる記事の主人公役をした。
そのときに、築地場内市場は
建前ではプロの料理人しか仕入れられない決まりで、
それを堂々と素人が仕入れる記事を掲載するのは
まずいのではと、dancyu編集部に意見を述べた。
そうしたら、中央卸売市場事務局に許可をもらっている、
との答えだったので、
場内市場で買出しを行うことは可能と考えてよい。
ただし、建前としては、
一般消費者には売らないことになっている。
プロの商売の邪魔をしないなどの配慮が必要だ。

さて、場内市場はかなりの面積の建屋のなかに、
碁盤の目のように通路が通っていて、
長手方向の通路には仲買がところ狭しと並んでいる。
そこをプロの料理人が仕入れのためにせわしく歩き回っている。
この通路に交差する立て向きの通路には、
ターレーの愛称の3輪車を仲買が立って運転していて、
すごいスピードで通過していく。
素人がまごまごとしていると、
プロの料理人やターレーの運転手から
邪魔もの扱いをされてしまいそう。

仲買はプロの料理人で混みあっていて、
なかなか話かけるきっかけがつかめない。
そして、熱気に押されて、
どの仲買で何を買ったらいいのか、
どのように声をかければいいのか躊躇することは必須だ。
怒られるのではないか、素人だと馬鹿にされるのではないか、
という思いが頭をよぎるだろう。
しかし、勇気を持って仲買と交渉してみよう。
すると意外に仲買さんたちは親切だ。
彼らもプロだけに売るよりは
素人に売れば利益が多くなるのは必然。
買ってほしいのである。

また、お店で扱うほどたくさんの魚は買えない、
少量で売ってはくれないのでは、と思っている人も多い。
しかし、心配無用。
仲買は少量でも売ってくれる。
今回は、築地場内市場で
どのように仲買から魚介類を仕入れるかという
ノウハウについて紹介することにする。


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2005年9月13日(火)

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