“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第283回
鰆寿司と鯛竹輪

9月の初めに岡山を訪問する機会があった。
本当はゆっくりとしたかったのだが、
関西方面で他の用事がつまっていたので、
ほんの僅かの間しかいられなかった。
昼食をとる時間もなく、
そこで、帰りの新幹線のなかでビールでも飲みながら
地元の名産品でも食べようということになった。
岡山駅の土産物売り場を物色していたところ、
鰆寿司が目に付いた。

鰆は読んで字の如しで春の魚。
春といっても晩春が一番漁獲量は多い。
夏に産卵期を迎える。
したがって、初秋の頃はまだその季節ではないが、
ここのところ岡山県は鰆を一つの売りにしているので、
とりあえず味見しようと買ってみた。
それだけではハズレの場合に悲しい思いをするので、
もう1品探したところ、鯛竹輪が目についた。
こちらは、広島産であった。

ビールはサントリーモルツを購入。
日本のどこでも買えるビールのなかでは、一番気に入っている。
一番苦手な大手のビールはアサヒスーパードライ。
売り出した当時の一番最初のロットはまだ飲めたが、
それ以降のロットは、味がどんどん薄くなり、
アルコールと炭酸の強さだけが目立つビールになってしまった。
たまたま入った料理屋が
ビールはアサヒスーパードライしか置いていないときには、
ビールはなるべく飲まないことにしている。

本当は日本酒を買いたかったが、
駅の売店にはあまり好きな銘柄は置いていなかった。
我慢して苦手な日本酒を飲むくらいなら、
ビールのほうがよっぽどいい。

さて、肝心の鰆鮨。
押し鮨となっていて、酢飯はねばって固まっている。
鰆だが、やはり春の頃に比べると味わいが深くない。
しかし、酢のバランスは悪くなく、
十分ビールのつまみになった。
これなら、春の頃の鰆鮨をまた食べてみたい。
そして、鯛竹輪。
こちらは、口に入れると鯛の上品な甘みがふわっと出てくる。
ほどよく焼いた香ばしさも感じられる。
もちっとした食感が後を引く。
モルツになかなかよく合った。

地方の名産品の気軽に車内で食べ、ビールや日本酒に合わせる。
心が軽くなったかのような気になり、
旅が一段と楽しく思えるようになる。


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2005年9月28日(水)

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