“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第286回
博多で知る人ぞ知る名割烹を堪能

博多には知人から評判を聞いて、
行ってみたいと思っていた料理屋が色々とある。
しかし、仕事の関係では、博多への出張はなかなかなかった。
そうしていたところ、
たまたま博多で開催される学会で論文発表をすることになり、
二十数年ぶりに博多を訪れた。

評判の店は「お半」という割烹。
美味しいもの好きの知人たちからは相当な評判であった。
その願いがかなえて、
ある初秋の日に渡辺通り2丁目にある「お半」を訪問した。
店はタカクラホテルの近くの路地の奥にひっそりと佇んでいる。

仲間と4名で約束の時刻に訪問。
カウンターに通された。
カウンターには、我々を迎えるかのように、
前菜が綺麗に盛り付けておいてあった。
イクラおろし、百合根、半熟玉子、
それになにか大根で肉のようなものを挟んだように見える料理、
そして、お浸し。

大根ではなかった。
口のなかに入れて、甘み、酸味をまず感じる。
梨であった。
そして、噛むと肉汁の旨みが溶け出る。
ちょっとした生臭みが梨の甘みによって、旨みにかわっている。
なんと、生ハムをミンチして、梨でサンドイッチにしたもの。
イクラおろしも出汁がわずかにかかっていて、上品。
半熟玉子がまた秀逸。
お浸しは出汁がですぎずに、野菜の旨みをうまく包み込んでいる。

前菜を食べただけで、
この店が我々のことを快く迎えてくれていることが
身体で理解できた。
最初はビールを注文したが、
一杯飲んでからは燗酒に切り替える。
冷酒用とお品書きにある
秋田の「春霞」の純米酒を燗にしてもらうことにした。
これが、落ち着いた味わいで料理ととても合う。

その後でてくる料理がとても楽しみになってきた。
カウンターの向こう側には親方に女将が取り仕切っていて、
若い板前が数名忙しく働いている。
女将のにこやかな顔がまたなんともよく、
親方の料理を熟知していて、
我々にどのようなものかを親切に説明してくれる。

次にでてきたお造りもとても好みのものだった。


←前回記事へ

2005年10月3日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ