“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第288回
博多「お半」は再訪したい店

カラスミのあとは、鮑がでてきた。
これが、焼いたものが海胆に和えてあり、
貝殻に入った状態で提供される。
最近、蝦夷鮑と房総のマダカ鮑はよく食べるが、
九州の鮑は久しぶりだ。
箸でつまんで顔の近くまで持ってくると、
鮑と海胆の香りが調和して、美味しさを嫌でも期待させる。

口にいれたとたんに、
海胆の風味が最初に口いっぱいに広がってきて、
それから噛むと鮑のジューシーな旨みが飛び出してくる。
この2段差攻撃に我々は完全にダウン。
まさに極上の味。
気品があり、力強さも兼ね備えている。
日本酒との相性も抜群。
食べ終わっても、その味わいがいつまでも残り、
この世の幸せが続いている。

海胆と鮑の旨さに浸っているうちに、
次に提供されたのは揚げ物。
淡い黄色の皮に巻かれて、なにかが揚げられている。
この皮が何かと思ったら、湯葉だった。
それも、結構厚めの湯葉。
市内の専門店に特注で作ってもらっているという。

その揚げ物を口のなかに入れて噛むと、
湯葉の上品な味わいの中から貝の旨みがにじみでてくる。
これまで経験したことのない味わいだ。
何かと思ってきくと、
「緋扇貝」(ひおうぎがい)という貝だという。
「緋扇貝」は紫やピンク、青などの鮮やかな色の貝で、
外見からは食べることを躊躇させるほどの極彩色だそうだ。
それが、旨みたっぷりで、帆立のようなエグミ、
蜆のような泥臭さなどの雑味がこれっぽっちもない。
とても綺麗な味わいで、しかも深みを持っている。
こんな貝を食べたのは初めてだった。

〆の食事は、普通のご飯に汁とおこうこ。
このご飯も旨かった。
デザートも手造りのものがでて満足。

「お半」は料理が7000円から15000円。
今回は1万円でお願いしたが、
次回はもっと高い料理も食べてみたくなった。
博多を訪問するときには、お勧めの店だ。


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2005年10月5日(水)

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